/FAIL/TSAIWU

ブロックフォーマットキーワード複合材料破壊のモデル化のためのTsai-Wu破壊基準。この基準はソリッドとシェルに使用できます。

フォーマット

(1)	(3)	(5)	(7)	(9)	(10)
/FAIL/TSAIWU/`mat_ID`/`unit_ID`
$σ_{1}^{t}$	$σ_{2}^{t}$	$σ_{1}^{c}$	$σ_{2}^{c}$	${\bar{σ}}_{12}$
$α$	$τ_{\max}$	`F`_cut		`I`_{fail_sh}	`I`_{fail_so}

オプションの行：

(1)	(2)	(3)	(4)	(5)	(6)	(7)	(8)	(9)	(10)
`fail_ID`

定義

フィールド	内容	SI単位の例
`mat_ID`	材料識別子（整数、最大10桁）
`unit_ID`	（オプション）単位の識別子。（整数、最大10桁）
$σ_{1}^{t}$	縦方向引張り強度デフォルト = 10²⁰（実数）	$[Pa]$
$σ_{2}^{t}$	横方向引張り強度デフォルト = 10²⁰（実数）	$[Pa]$
$σ_{1}^{c}$	縦方向圧縮強度デフォルト = 10²⁰（実数）	$[Pa]$
$σ_{2}^{c}$	横方向圧縮強度デフォルト = 10²⁰（実数）	$[Pa]$
${\bar{σ}}_{12}$	せん断強度デフォルト = 10²⁰（実数）	$[Pa]$
$α$	相互作用パラメータ12。デフォルト = 0.0（実数）
$τ_{\max}$	動的緩和。 5 デフォルト = 10²⁰（実数）	$[s]$
`F`_cut	応力テンソルのフィルタリング周波数。デフォルト = 0.0（実数）	$[\frac{1}{s}]$
`I`_{fail_sh}	シェル破壊モデルフラグ。 = 0（デフォルト）シェルは一切削除されず、応力軟化は発生しません。 = 1 損傷が１つの層に達するとシェルが削除されます。 = 2 損傷がシェルの全層に達するとシェルが削除されます。（整数）
`I`_{fail_so}	ソリッド破壊モデルフラグ。 = 0 ソリッドは一切削除されず、応力軟化は発生しません。 = 1（デフォルト）損傷がソリッドの１つの積分点に達すると、ソリッドが削除されます。 = 2 すべての積分点が損傷に達すると、ソリッドが削除されます。（整数）
`fail_ID`	（オプション）破壊基準識別子。 4 （整数、最大10桁）

例

/UNIT/1
                  kg                  mm                  ms
/FAIL/TSAIWU/1/1
#           SIGMA_1T            SIGMA_2T            SIGMA_1C            SIGMA_2C            SIGMA_12
                 0.6                0.525                 0.8                0.75                0.075  
#              ALPHA             TAU_MAX                 FCUT                      IFAIL_SH  IFAIL_SO
                 0.9             0.005932                                                  2          2

この破壊モデルはシェルおよびソリッドで使用できます。このモデルでは、繊維が方向1（m1とも表記されます）の向きで、マトリックスが横方向すなわち方向2（およびソリッドの場合は方向3）の向きの複合材料プライが考慮されます。各方向では、引張と圧縮で次のように限界強度値が考慮されます：
図 1.

ここで、 $σ_{1}^{t}$ 、 $σ_{2}^{t}$ 、 $σ_{1}^{c}$ 、 $σ_{2}^{c}$ 、 ${\bar{σ}}_{12}$ はそれぞれ、方向1の引張、方向2の引張、方向1の圧縮、方向2の圧縮、せん断での限界強度です。
シェルの破壊基準は下記のように記述されます：(1)
$F = F_{11} σ_{1}^{2} + F_{22} σ_{2}^{2} + F_{66} σ_{12}^{2} + 2 F_{12} σ_{1} σ_{2} + F_{1} σ_{1} + F_{2} σ_{2} \leq 1$

ソリッドの場合は、基準は次のようになります：(2)
$F = F_{11} σ_{1}^{2} + F_{22} σ_{2}^{2} + F_{22} σ_{3}^{2} + F_{66} σ_{12}^{2} + F_{66} σ_{13}^{2} + 2 F_{12} σ_{1} σ_{2} + 2 F_{12} σ_{1} σ_{3} + F_{1} σ_{1} + F_{2} σ_{2} + F_{2} σ_{3} \leq 1$
ここで、 $F$ の係数は次の式によって得られます：
- $\begin{array}{l} F_{1} = \frac{1}{σ_{1}^{t}} - \frac{1}{σ_{1}^{c}} \\ F_{2} = \frac{1}{σ_{2}^{t}} - \frac{1}{σ_{2}^{c}} \\ F_{11} = \frac{1}{σ_{1}^{t} \cdot σ_{1}^{c}} \\ F_{22} = \frac{1}{σ_{2}^{t} \cdot σ_{2}^{c}} \\ F_{12} = - \frac{α}{2} \sqrt{F_{11} \cdot F_{22}} \\ F_{66} = \frac{1}{{\bar{σ}}_{12}} \end{array}$
ここで、 $α$ は、方向1と2の間の相互作用パラメータです。基準に達したと見なされるのは、 $F = 1$ の場合です。実際には、損傷変数は基準自体に対応しています（ $D = F$ ）。
基準に達すると（ $D = F = 1$ ）、次の2つの挙動を設定できます：
- I_{fail_sh} = 0またはI_{fail_so} = 0の場合、応力軟化は発生せず、要素は一切削除されません。この場合、破壊基準は損傷変数の出力を使用して純粋に視覚的です。
- I_{fail_sh} ≠ 0またはI_{fail_so} ≠ 0の場合、応力緩和が生成されて、要素の耐荷力が低減されます。(3)
  $σ (t) = f (t) \cdot σ_{d} (t_{r})$
  
  ここで、 $f (t) = \exp (- \frac{t - t_{r}}{τ_{\max}})$ and $t \geq t_{r}$
  
  ここで、
  
  $t$
  
  時間。
  
  $t_{r}$
  
  損傷基準が推定される場合における緩和の開始時間。
  
  $τ_{\max}$
  
  動的緩和の時間。
  
  $σ_{d} (t_{r})$
  
  基準に達したときの応力テンソル。
  
  応力が破壊の開始時における応力値の1%に達すると、要素は削除されます。これは、要素が突然削除され、隣接要素で破壊の“連鎖反応”が起こることによる不安定性を回避するために必要となります。破壊基準に達した場合でも、デフォルト値 $τ_{\max} = 1.0 E 20$ では、要素は削除されません。したがって、 $τ_{\max}$ の値をシミュレーション時間ステップの10倍の大きさに定義することが推奨されます。
要素を削除する際の“連鎖反応”を避けるために、応力テンソルのフィルタリング周波数 F_cutを定義することもできます。したがって、TSAIWU基準の計算に使用される応力テンソルは、まず以下の式に従ってフィルタリングされます：(4)
$σ_{n + 1}^{f i l t} = α σ_{n + 1} + (1 - α) σ_{n}^{f i l t}$

ここで、 $α = \frac{2 π \cdot F_{c u t} \cdot Δ t}{2 π \cdot F_{c u t} \cdot Δ t + 1}$

ここで、 $Δ t$ は現在の時間ステップです。

フィルタリング周波数が定義されていない場合（F_cut = 0.0）、フィルタリング効果は無効になります。
fail_IDは、/STATE/BRICK/FAILおよび/INIBRI/FAILで使用されます。デフォルト値はありません。この行が空白の場合、/INIBRI/FAIL内の破壊モデル変数のために出力される値はありません（/STATE/BRICK/FAILオプションで.staファイルに書き込まれます）。

/FAIL/TSAIWU

フォーマット

定義

例

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