/MAT/LAW112(PAPERまたはXIA)
ブロックフォーマットキーワード Paperboard則では、2002年にXiaによって提唱された直交異方性の非対称弾塑性材料がモデル化されます。
基本原理は、紙シートの平面内の挙動と平面外の挙動を完全に分離するということです。引張状態と圧縮状態について、荷重方向ごとに降伏応力が定義されます。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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/MAT/LAW112/mat_ID/unit_IDまたは/MAT/PAPER/mat_ID/unit_IDまたは/MAT/XIA/mat_ID/unit_ID | |||||||||
mat_title | |||||||||
E1 | E2 | E3 | Ires | Itab | Ismooth | ||||
G12 | G23 | G13 | |||||||
K | E3C | CC | |||||||
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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S01 | A01 | B01 | C01 | ||||||
S02 | A02 | B02 | C02 | ||||||
S03 | A03 | B03 | C03 | ||||||
S04 | A04 | B04 | C04 | ||||||
S05 | A05 | B05 | C05 | ||||||
ASIG | BSIG | CSIG | |||||||
TAU0 | ATAU | BTAU |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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TAB_YLD1 | MAT_Xscale1 | MAT_Yscale1 | |||||||
TAB_YLD2 | MAT_Xscale2 | MAT_Yscale2 | |||||||
TAB_YLD3 | MAT_Xscale3 | MAT_Yscale3 | |||||||
TAB_YLD4 | MAT_Xscale4 | MAT_Yscale4 | |||||||
TAB_YLD5 | MAT_Xscale5 | MAT_Yscale5 | |||||||
TAB_YLDC | MAT_XscaleC | MAT_YscaleC | |||||||
TAB_YLDS | MAT_XscaleS | MAT_YscaleS |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
mat_ID | 材料識別子 (整数、最大10桁) |
|
unit_ID | 単位の識別子(オプション) (整数、最大10桁) |
|
mat_title | 材料のタイトル (文字、最大100文字) |
|
初期密度。 (実数) |
||
Ei | i番目の直交異方性方向のヤング率。 (実数) |
|
i番目とj番目の直交異方性方向に関連するポアソン比。 (実数) |
||
i番目とj番目の直交異方性方向に関連するせん断係数。 (実数) |
||
Ires | 塑性の解法。
(整数) |
|
Itab | 降伏応力の計算。
(整数) |
|
Ismooth | 補間タイプ(表形式降伏関数の場合)。
(整数) |
|
K | 面内降伏曲面指数。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
E3C | 1つ目の弾性圧縮パラメータ。 デフォルト = E3(実数) |
|
CC | 2つ目の弾性圧縮パラメータ。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
方向1の引張塑性ポアソン比。 (実数) |
||
方向2の引張塑性ポアソン比。 (実数) |
||
方向1の圧縮塑性ポアソン比。 (実数) |
||
方向2の圧縮塑性ポアソン比。 (実数) |
||
S0i | i番目の荷重方向の初期降伏応力。 各方向は、次の順序に従って特定の荷重方向に関連付けられています:
デフォルト = 1.0e20(実数) |
|
A0i | i番目の荷重方向の1つ目の硬化パラメータ。 (実数) |
|
B0i | i番目の荷重方向の2つ目の硬化パラメータ。 (実数) |
|
C0i | i番目の荷重方向の3つ目の硬化パラメータ。 (実数) |
|
ASIG | 圧縮での初期面外降伏応力。 デフォルト = 1.0e20(実数) |
|
BSIG | 圧縮での1つ目の面外硬化パラメータ。 (実数) |
|
CSIG | 圧縮での2つ目の面外硬化パラメータ。 (実数) |
|
TAU0 | 初期横せん断降伏応力。 デフォルト = 1.0e20(実数) |
|
ATAU | 1つ目の横せん断硬化パラメータ。 (実数) |
|
BTAU | 2つ目の横せん断硬化パラメータ。 (実数) |
|
TAB_YLDi | i番目の荷重方向の表形式の降伏応力 - 塑性ひずみ - ひずみ速度関数の識別子。 (整数) |
|
MAT_Xscalei | i番目の荷重方向の表形式の降伏 - 塑性ひずみ - ひずみ速度関数のXスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
MAT_Yscalei | i番目の荷重方向の表形式の降伏 - 塑性ひずみ - ひずみ速度関数のYスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
例(紙)
#RADIOSS STARTER
/UNIT/1
unit for mat
Mg mm s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW112/1/1
Xia
# RHO_I
7.83E-10
# E1 E2 E3 Ires Itab Ismooth
4193 1554 1554 2 0 0
# nu21 G12 G23 G13
0.1011 988 76 76
# K E3C CC
2.0 47.2 24.46
# nu1p nu2p nu4p nu5p
0.555 0.1537 0.18 0.145
# S01 A01 B01 C01
12.0 19.0 260.0 800.0
# S02 A02 B02 C02
6.5 40.0 160.0 250.0
# S03 A03 B03 C03
6.0 11.0 100.0 125.0
# S04 A04 B04 C04
7.3 6.0 160.0 300.0
# S05 A05 B05 C05
6.3 9.0 310.0 225.0
# ASIG BSIG CSIG
16.55 16.55 3.16
# TAU0 ATAU BTAU
2.1 9.0 2.0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
例(表形式)
#RADIOSS STARTER
/UNIT/1
unit for mat
Mg mm s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW112/1/1
Xia_tab
# RHO_I
7.83E-10
# E1 E2 E3 Ires Itab Ismooth
4193 1554 1554 1 1 1
# nu21 G12 G23 G13
0.1011 988 76 76
# K E3C CC
2.0 47.2 24.46
# nu1p nu2p nu4p nu5p
0.555 0.1537 0.18 0.145
# TAB_YLD1 MAT_Xscale1 MAT_Yscale1
25 1.0 1.0
# TAB_YLD2 MAT_Xscale2 MAT_Yscale2
25 1.0 0.35
# TAB_YLD3 MAT_Xscale3 MAT_Yscale3
25 1.0 0.75
# TAB_YLD4 MAT_Xscale4 MAT_Yscale4
25 1.0 0.6341
# TAB_YLD5 MAT_Xscale5 MAT_Yscale5
25 1.0 0.5
# TAB_YLDC MAT_XscaleC MAT_YscaleC
25 1.0 0.5
# TAB_YLDS MAT_XscaleS MAT_YscaleS
25 1.0 0.5
/FUNCT/46
ecoulement2
# plastic strain stress
0.0 12.00
0.012 32.979020979021
0.025 50.4615384615385
0.05 74.5
0.075 90.9473684210526
0.1 102.909090909091
0.125 112.00
0.15 119.142857142857
0.175 124.903225806452
0.2 129.647058823529
0.25 137.00
0.3 142.434782608696
0.4 149.931034482759
0.5 154.857142857143
1.0 165.846153846154
/TABLE/1/25
Yld Functions : plastic strain + strain rate dependency
#DIMENSION
2
# FCT_ID strain rate Scale_y
46 0.0 1.00
46 1.0 1.10
46 5.0 1.15
46 10.0 1.20
46 100.0 1.25
46 100000.0 1.35
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
コメント
- Paperboard材料則の挙動を表すために、次の直交異方性方向が考慮されます。
- この材料則の弾性挙動は直交異方性です。面内挙動は、面外挙動と完全に分離される必要があり、次のように計算されます:
(1) ここで、
横せん断成分は次のように計算されます:(2) 面外弾性挙動(ソリッドのみ)は単軸相当問題として扱われます。ただし、応力の計算は引張と圧縮では異なる可能性があります。圧縮荷重の場合、弾性は非線形になります。(3) - Xia 2002の定式化では、面内降伏基準(
)は次のように定義されます:
(4) ここで、
- 切り替えパラメータ。
- Cauchy応力テンソル。
- 降伏平面の法線方向。
- 降伏応力。
- 正の整数。
各方向は、以下に定義する順序に従って特定の荷重方向に関連付けられています:- 1
- 直交異方性方向1の引張。
- 2
- 直交異方性方向2の引張。
- 3
- 正の面内せん断。
- 4
- 直交異方性方向1の圧縮。
- 5
- 直交異方性方向2の圧縮。
- 6
- 負の面内せん断(正の面内せん断 と同じ入力)。
降伏平面の法線方向ベクトルは次のとおりです:
各方向 は、次の式で表される特定の降伏応力に関連付けられています:
ここで、 は面内相当塑性ひずみ(降伏関数 に関連付けられています)です。
面外降伏関数は と表され、次のように定義されます:
ここで、
ここで、 は面外相当塑性ひずみ(降伏関数 に関連付けられています)です。
横せん断降伏関数は次のとおりです:(5) ここで、- 面外相当塑性ひずみ(降伏関数 に関連付けられています)。
表形式の降伏応力オプションが選択されている場合(Itab = 1)、各降伏応力は、複数の塑性ひずみ速度で塑性ひずみに応じた応力変化を定義するテーブル(TAB_YLDi)に関連付けられています。各テーブルのX方向とY方向に2つのスケールファクターを定義することもできます。この場合、硬化パラメータ 、 、 、 、 、 、 、 、 、 は無視され、降伏応力は次のようになります:
出力フィールドでは、相当“全体”塑性ひずみは次のように計算されます:(6)