/PROP/TYPE18 (INT_BEAM)

ブロックフォーマットキーワード 積分ビームプロパティセットを記述します。このビームモデルはTimoshenko理論に基づき、横せん断ひずみを考慮し、ねじりでの反りの無いビームです。

深いビーム(短いビーム)の場合に用いる事ができます。積分点のビームの断面および位置は、事前定義するか直接設定して使用できます。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/PROP/TYPE18/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/INT_BEAM/prop_ID/unit_ID
prop_title
Isect Ismstr                
dm df            
NIP Iref Y0 Z0        
NIP > 0の場合、サブセクションパラメータを定義するNIPカードを追加します(各積分点について行ごとに)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Yi Zi Area        

Isect > 0の場合は、以下の2行を追加します。

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
NITR   L1 L2        
空白行
ビーム節点の回転自由度のためのフラグを追加します。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
ω DOF                  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
prop_ID プロパティの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
prop_title プロパティのタイトル

(文字、最大100文字)

 
Isect 断面のタイプ 6
= 0(デフォルト)
積分ビーム
=1
定義済みの矩形断面
=2
定義済みの円形断面
= 3
Gauss-Lobatto求積法を使用した定義済みの矩形断面。
= 4
Gauss-Lobatto求積法を使用した定義済みの円形断面。
= 5
定義済みの円形断面 6

(整数)

 
Ismstr 微小ひずみオプションフラグ
= 0(デフォルト)
4に設定
=1
t = 0からの微小ひずみ定式化
=4
完全に幾何学的非線形

(整数)

 
dm ビーム膜減衰。

デフォルト = 0.00(実数)

 
df ビーム曲げ減衰

デフォルト = 0.01(実数)

 
NIP 積分点の数(サブ断面)

Isect =0の場合のみ。それ以外の場合はNIP=0

(整数)

 
Iref サブ断面中心参照フラグ

Isect =0の場合のみ

= 0(デフォルト)
サブ断面中心は積分点の重心として計算されます。
=1
局所座標(Y0Z0)を使用してサブ断面中心を定義します。

(整数)

 
Y0 断面中心の局所Y座標。

Isect =0の場合のみ

(実数)

[ m ]
Z0 断面中心の局所Z座標。

Isect =0の場合のみ

(実数)

[ m ]
Yi 積分点の局所Y座標

(実数)

[ m ]
Zi 積分点の局所Z座標。

Isect =0の場合のみ

(実数)

[ m ]
Area サブ断面の面積。

Isect =0の場合のみ

(整数)

[ m 2 ]
NITR Isect > 0の場合の定義済み断面での積分点に関するオプション。6

(整数)

 
L1 Isect > 0の場合の定義済み断面の1番目のサイズ 6

(実数)

 
L2 Isect > 0の場合の定義済み断面の2番目のサイズ 6

デフォルト = L1 (実数)

 
ω D O F 節点1と2の回転自由度コード(下記の詳細入力をご参照ください)

(6つのブーリアン)

 

節点1と2の回転自由度入力フィールド

(1)-1 (1)-2 (1)-3 (1)-4 (1)-5 (1)-6 (1)-7 (1)-8 (1)-9 (1)-10
      ω X 1 ω Y 1 ω Z 1   ω X 2 ω Y 2 ω Z 2

定義

フィールド 内容 SI単位の例
ω X 1 = 1 節点1のXの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 
ω Y 1 = 1 節点1のYの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 
ω Z 1 = 1 節点1のZの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 
ω X 2 = 1 節点2のXの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 
ω Y 2 = 1 節点2のYの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 
ω Z 2 = 1 節点2のZの回転自由度を解放します

(ブーリアン)

 

例(積分ビーム)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/TYPE18/4/2
Integrated beam - bXh=10X10 with 4 integration points (subsections)
#    Isect   Ismstmr
         0         0
#                 dm                  df
                   0                   0
#      NIP      Iref                  Y0                  Z0
         4         1                   0                   0
#                  Y                   Z                Area
                 2.5                 2.5                  25
                 2.5                -2.5                  25
                -2.5                 2.5                  25
                -2.5                -2.5                  25
# OmegaDOF                                                                        
   000 000
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

例(積分ビーム)

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/TYPE18/4/2
Integrated beam  - 4 integration points in predefined section bXh=10X10
#    Isect   Ismstmr
         1         0
#                 dm                  df
                   0                   0
#      NIP      Iref                  Y0                  Z0
         0         1                   0                   0
#     NITR                            L1                  L2
         2                            10                  10

# OmegaDOF                                                                        
   000 000
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. Ismstr = 1の場合、微小ひずみ定式化は時間t = 0からアクティブになります。これは、 Δ t が一定のため高速予備解析で使用できますが、結果の精度は保証されません。
  2. Ismstr =1の場合、材料則で指定したひずみと応力が工学ひずみと工学応力になります。時刻歴出力は真ひずみと真応力を返します。

    clip0093
    図 1.
  3. 要素の断面は100 までの積分点を用いて定義されます(図 2)。要素の断面特性、面積慣性モーメントと面積はRadiossによって次のように計算されます:(1)
    A = A i = ( d y i d z i )
    (2)
    I Z = A i ( y i 2 + 1 12 d y i 2 )
    (3)
    I Y = A i ( z i 2 + 1 12 d z i 2 )
  4. 深いビーム(短いビーム)の場合に用いることができます。断面積に複数の積分点を用いる事で、それぞれの積分点で von Mises基準での弾塑性モデルを得ることを可能にし、古典的なビーム要素と異なり、断面は部分的に塑性化する事ができます(TYPE3)。材料則LAW1、LAW2、LAW36と適合しています。しかしながら、要素は長さ方向には1積分点のみ持つため、フレーム構造の一つの線に1要素を用いる事は、深さ方向だけでなく長さ方向の塑性の進展を考慮するために、推奨しません。

    cross-section_def
    図 2. 積分ビームの断面定義
  5. 矩形断面の場合:L1は局所ビーム座標系のY方向の矩形サイズで、L2はZ方向の矩形サイズです。円形断面の場合:L1は半径です。
  6. 定義済みの断面を使用可能です(矩形または円形)。断面内の積分点の数は、Isectと選択した求積法に応じてNITRを介して指定されます。
    • Isect = 1および2の場合。積分点は、断面タイプおよびNITRに従って、断面全体に均一に分散されます。


      図 3.
    • Isect = 3の場合。断面は矩形です。積分点の分布は、エッジ上の点を使用したGauss-Lobatto求積法に対応します。IP = NITR*NITRNITRの最大値は9です。これは81個の積分点に対応します。


      図 4.
    • Isect = 4の場合。断面は円形です。積分点の分布は、エッジ上の点を使用したGauss-Lobatto求積法に半径方向に対応します。3つのオプション:NITR = 1NITR = 17およびNITR = 25。ここで、積分点の数はNITRと同じです。


      図 5.
    • Isect = 5の場合。断面は円形です。3つのオプション:NITR = 1NITR = 9および NITR = 17。ここで、積分点の数はNITRと同じです。


      図 6.