/PROP/TYPE1(SHELL)

ブロックフォーマットキーワード 3節点または4節点のシェル要素で使用されるシェルプロパティセットを記述します。Belytschko、QBAT、またはQEPHのシェル定式化が利用可能です。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/PROP/TYPE1/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/SHELL/prop_ID/unit_ID
prop_title
Ishell Ismstr Ish3n Idrill     P_thickfail    
hm hf hr dm dn
N   Thick Ashear   Ithick Iplas  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
prop_ID プロパティの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
prop_title プロパティのタイトル

(文字、最大100文字)

 
Ishell 4節点シェル要素定式化フラグ
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
Q4、変形モードと剛体モードに直交する粘弾性アワグラスモード(Belytschko)
= 2
Q4、直交性を伴わない粘弾性アワグラス(Hallquist)
= 3
Q4、直交性を伴う弾塑性アワグラス
= 4
タイプ1の定式化を改良したQ4(ねじれた要素の直交化)。
= 12
QBATシェル定式化
= 24
QEPHシェル定式化。

(整数)

 
Ismstr シェル微小ひずみ定式化フラグ。 4
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
時刻0からの微小ひずみ(他のすべての定式化フラグと適合性のある定式化)
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
Radioss Engine(オプション/DT/SHELL/CST)での微小ひずみ定式化がアクティブとなる可能性がある完全幾何非線形性
= 3
古い微小ひずみ定式化(Ishell = 2とのみ互換)
= 4
完全幾何非線形性(Radioss Engineでオプション/DT/SHELL/CSTによる影響はありません)
= 10
超弾性材料則の場合のLagrange型全ひずみ

(整数)

 
Ish3n 3節点シェル要素定式化フラグ
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
標準的な三角形(C0)。
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
大きな回転に対する修正を伴う標準的な三角形(C0)。
= 30
DKT18。
= 31
DKT_S3、BATOZのDTK12に基づく(理論マニュアルElement Libraryをご参照ください)

(整数)

 
Idrill 面内回転自由度剛性のフラグ。 3
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
はい。
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
オフ。

(整数)

 
P_thickfail 要素が削除される前に破断すべき層の板厚率。 11

0.0 P _ t h i c k f a i l 1.0

(実数)

 
hm シェル膜アワグラス係数 5

Ishell=1、2、3、4の場合のみ使用されます。

Ishell=1、2、4の場合のデフォルト = 0.01

Ishell=3の場合のデフォルト = 0.1

(実数)

 
hf シェル面外アワグラス 5

Ishell=1、2、3、4の場合のみ使用されます。

デフォルト = 0.01(実数)

 
hr シェル回転アワグラス係数 5

Ishell=1、2、3、4の場合のみ使用されます。

Ishell=1、2、4の場合のデフォルト = 0.01

Ishell=3の場合のデフォルト = 0.1

(実数)

 
dm Shell Membrane Damping

デフォルト値については、コメント7の表を参照してください。

(実数)

 
dn シェル数値減衰 6

Ishell =12、24およびIsh3n = 30の場合のみ使用

デフォルト =0.015 (Ishell =24(QEPH)の場合)

デフォルト =0.001 (Ishell =12(QBAT)の場合)

デフォルト =0.0001 (Ish3n =30(DKT18)の場合)

(実数)

 
N 板厚を通る積分点の数で、0 < N < 10 10
= 0(デフォルト)
材料LAW1ではグローバル積分モデルを意味し、他の材料則では自動的にN=3に設定されます。
= 1
膜挙動。

(整数)

 
Thick シェル厚。

(実数)

[ m ]
Ashear せん断係数

デフォルトはReissner値:5/6(実数)

 
Ithick シェル合応力計算フラグ。 8
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
厚みの変化が考慮されます
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
厚みは一定です

(整数)

 
Iplas シェル平面応力塑性フラグ 9
材料則2、22、27、および36に対してのみ有効。
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1 LAW36およびグローバル積分でのデフォルト。
3ニュートン反復計算を伴う反復投影
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合、もしくはLAW2およびグローバル積分でのデフォルト。
ラジアルリターン。

(整数)

 

コメント

  1. Ishell - シェル微小ひずみの定式化フラグ
    • Ishell=1、2、3、4 (Q4): アワグラス摂動安定化を伴うオリジナルの4節点Radiossシェル。
    • Ishell=24 (QEPH): 汎用の物理的なアワグラス安定化を伴う定式化。
    • Ishell=12 (QBAT): 修正済みBATOZ Q4γ24シェル(4つのGauss積分点を伴う)および面内せん断用の低減積分。このシェルに対して、アワグラス制御は必要ありません。
    • Ishell=2は、シェル要素の1つの積分点と適合性がありません。
  2. Ish3n - 3節点シェル要素定式化フラグ
    • Ish3n=30 (DKT18):3つのHammer積分点を伴うBATOZ DKT18薄肉シェル。
  3. Idrill - 回転自由度剛性フラグ
    • 回転自由度剛性は、特にRiks法および曲げ主体の問題の陰的解法に推奨されます。
    • Idrill は、QEPH, QBAT(Ishell  = 12、24)と標準の三角形(C0) シェル要素(Ish3n = 1、2)で使用可能です。
  4. Ismstr - 微小ひずみ定式化
    • Ismstr = 1または3の場合、微小ひずみ定式化は時間t = 0からアクティブになります。これは高速予備解析で使用できますが、結果の精度は保証されません。
    • Δt < Δt min MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbbG8FasPYRqj0=yi0dXdbba9pGe9xq=JbbG8A8frFve9 Fve9Ff0dmeaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaacaqGuoGaae iDaiaayIW7caqG8aGaaGjcVlaabs5acaqG0bWaaSbaaSqaaiaab2ga caqGPbGaaeOBaaqabaaaaa@415B@ であるシェルは、Radioss Engineオプション/DT/SHELL/CSTによって微小ひずみ定式化に切り替えることができます。ただし、Ismstr = 4の場合を除きます。
    • 微小ひずみオプションを1または3に設定した場合、材料則で指定されるひずみと応力は、工学ひずみと工学応力になります。それ以外を設定した場合は、真ひずみと真応力になります。
    • Ismstr = 10は、全ひずみ定式化を使用する材料則42、62、69および82とのみ適合性があります。一般的に、左のCauchy-Greenひずみが使用されます。ユーザー則については、変形勾配テンソルと右ストレッチテンソルが使用できます。
  5. hmhfおよびhr - アワグラス係数
    • Q4シェル(Ishell=1、2、3、4)に対してのみ使用されます。これらは0~0.05の値でなければなりません。
    • Ishell=3では、hmhrのデフォルト値は0.1になり、さらに大きい値が可能です。
  6. d - シェル数値減衰係数
    • dは、Ishell =12、24およびIsh3n = 30の場合のみ使用されます
      • Ishell =24(QEPH)dnは、アワグラス応力計算で使用されます
      • Ishell =12(QBAT)dnは横せん断を除くすべての応力項で使用されます
      • Ish3n =30(DKT18)dnは膜に対してのみ使用されます
  7. 数値減衰係数dmの場合のデフォルト値。
      dm
    Ishell= 1、2、3、4 (Q4) LAW27の場合、0.05

    LAW32、36の場合、0.0

    Ishell=12(QBAT) LAW2、27、32、36の場合、0.0
    Ishell=24 (QEPH) その他すべての材料について0.015
    Ish3n= 1、2、31 0.0
    Ish3n=30 (DKT18) 0.0
    IshellIsh3nのいずれか LAW65の場合、0.05
  8. Ithick - シェル合応力計算フラグ
    • 材料則LAW32では、Ithickは自動的に1に設定されます。
    • Ithick =1の場合、該当する要素タイプの微小ひずみオプションは自動的に非アクティブ化されます。
  9. Iplas - シェル平面応力塑性フラグ
    • Ithick =1の場合、Iplas =1の使用が推奨されます。
    • Iplas =1の場合、該当する要素タイプの微小ひずみオプションは自動的に非アクティブ化されます。
  10. グローバル積分、N=0
    • グローバル積分は、材料LAW1とのみ、適合性があります。
    • 破壊モデルはシェルのグローバル積分では使用できません。
    • 状態ファイル(/INISHE/INISH3Nを生成する/STATE/DT)はグローバル積分と適合性がありません。
    • 他の材料則では自動的にN=3に設定されます。
  11. /FAILモデルと使用される要素削除のルール
    • 低減積分要素(Belytschko、QEPH、DKT18):
      • 独自のP_thickfail/FAIL/BIQUAD/FAIL/TAB1)を持つ1つの/FAILモデルのみがシェル材料に適用され、/FAILカード上のP_thickfailが> 0に設定されている場合、/PROP/SHELLカードに設定されているP_thickfailに関係なく、 P_thickfailの値が使用されます。/FAILカード上のP_thickfailの値が0に設定されている場合、プロパティカードのP_thickfailが使用されます(デフォルト値がないため、単一の積分点破壊後の破断を回避するために、それが望ましくない場合、> 0に設定する必要があります)。
      • 独自のP_thickfail/FAIL/JOHNSON)を持たない1つの/FAILモデルのみがシェル材料に適用され、/PROP/SHELLプロパティのP_thickfail値が> 0に設定されている場合、プロパティP_thickfailがデフォルトで取得され、破壊モデルのIfail_sh設定を上書きします。プロパティ上のP_thickfailが= 0(または空白)に設定されている場合、破壊モデルのIfail_shが使用されます(レガシーとの互換性のため)。
      • 複数の/FAIL破壊モデルがシェル材料に適用される場合、P_thickfailの値は、各破壊モデルのP_thickfail設定またはIfail_sh設定から個別に計算され、プロパティカード上のP_thickfailは無視されます。
        例えば、破壊モデルごとに次のようになります:
        • Ifail_sh =1の場合、(要素を削除するに十分な1積分点破壊) =P_thickfail = 1.0 e-6
        • Ifail_sh =2の場合、(要素を削除するに必要なすべての積分点破壊) =P_thickfail = 1.0
        • P_thickfail/FAIL) = 0の場合、= P_thickfail = 0.0

          この場合、P_thickfailを持つ/FAILカードでは、この/FAILが原因で、単一の積分点が破断すると破壊が発生します(これが望ましくない場合は> 0に設定します)。

    • 完全積分シェル(Batoz、DKT_S3)

      低減積分シェル用に記述されるルールは、各Gauss点に別々に適用されます。P_thickfail 率は、面内Gauss点の板厚内の全積分点についてチェックされます。全Gauss点がP_thickfail率基準に達すると、要素は削除されます。