/PROP/TYPE33 (KJOINT)

ブロックフォーマットキーワード ジョイントタイプのスプリングを記述します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/PROP/TYPE33/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/KJOINT/prop_ID/unit_ID
prop_title
Type Skflag                
skew_ID1 skew_ID2 Xk Cr        
球ジョイント(Type 1)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Krx Kry Krz    
fct_IDXR fct_IDYR fct_IDZR              
Crx Cry Crz        
fct_IDXRC fct_IDYRC fct_IDZRC              
回転ジョイント(Type 2)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Krx fct_IDXR          
Crx fct_IDXRC              
円筒ジョイント(Type 3)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Ktx Krx fct_IDXT fct_IDXR    
Ctx Crx fct_IDXTC fct_IDXRC        
平面ジョイント(Type 4)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Kty Ktz fct_IDYT fct_IDZT    
Krx fct_IDXR              
Cty Ctz Crx        
fct_IDYTC fct_IDZTC fct_IDXRC              
ユニバーサルジョイント(Type 5)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Kry Krz fct_IDYR fct_IDZR    
Cry Crz fct_IDYRC fct_IDZRC        
並進ジョイント(Type 6)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Ktx fct_IDXT          
Ctx fct_IDXTC              
オールダムジョイント(Type 7)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn Kty Ktz fct_IDYT fct_IDZT    
Cty Ctz fct_IDYTC fct_IDZTC        
剛性ジョイント(Type 8)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Kn                
フリージョイント(Type 9)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Ktx Kty Ktz        
Krx Kry Krz        
fct_IDXT fct_IDYT fct_IDZT              
fct_IDXR fct_IDYR fct_IDZR              
Ctx Cty Ctz        
Crx Cry Crz        
fct_IDXTC fct_IDYTC fct_IDZTC              
fct_IDXRC fct_IDYRC fct_IDZRC              

定義

フィールド 内容 SI単位の例
prop_ID プロパティの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
prop_title プロパティのタイトル

(文字、最大100文字)

 
Type ジョイントのタイプ。
= 1
球ジョイント
= 2
回転ジョイント
= 3
円筒ジョイント
= 4
平面ジョイント
= 5
ユニバーサルジョイント
= 6
並進ジョイント
= 7
オールダムジョイント(回転自由度のない平面)
= 8
固定(剛性)ジョイント
= 9
フリージョイント

(整数)

 
Skflag スキューフレーム選択 10
= 0(デフォルト)
ジョイントは平均スキューフレームで定義されます
= 1
ジョイントは1つ目のボディのスキューフレームで定義されます

(整数)

 
skew_ID1 1つ目のスキューシステムの識別子

(整数)

 
skew_ID2 2つ目のスキューシステムの識別子

(整数)

 
Xk インターフェースの剛性

(実数)

[ N m ]
Cr 臨界減衰係数

デフォルト = 0.0(実数)

 
Kn 固定自由度の剛性

(実数)

[ N m ]
Krx X回転剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nm rad ]
Kry Y回転剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nm rad ]
Krz Z回転剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nm rad ]
fct_IDXR X回転剛性関数

(整数)

 
fct_IDYR Y回転剛性関数

(整数)

 
fct_IDZR Z回転剛性関数

(整数)

 
Crx X回転粘性係数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nms rad ]
Cry Y回転粘性係数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nms rad ]
Crz Z回転粘性係数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Nms rad ]
fct_IDXRC X回転粘性関数

(整数)

 
fct_IDYRC Y回転粘性関数

(整数)

 
fct_IDZRC Z回転粘性関数

(整数)

 
fct_IDXT X並進剛性関数

(整数)

 
fct_IDYT Y並進剛性関数

(整数)

 
fct_IDZT Z並進剛性関数

(整数)

 
Ktx X並進剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ N m ]
Kty Y並進剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ N m ]
Ktz Z並進剛性関数 12

デフォルト = 1.0(実数)

[ N m ]
Ctx X並進粘性関数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Ns m ]
Cty Y並進粘性関数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Ns m ]
Ctz Z並進粘性関数 13

デフォルト = 1.0(実数)

[ Ns m ]
fct_IDXTC X並進粘性関数

(整数)

 
fct_IDYTC Y並進粘性関数

(整数)

 
fct_IDZTC Z並進粘性関数

(整数)

 

コメント

  1. ジョイントは1つのスプリングと結合された物体に属する2つの局所座標軸によって定義されます。ここで局所軸の直交性を保証するため、結合されている物体は剛体であることを仮定します。ただし、変形しやすいボディをジョイントに結合することは可能ですが、その場合はRadiossによって警告が表示されます。さらに、変形中に軸の直交性が失われた場合、ジョイントの安定性を保証できなくなります。
  2. ジョイントのプロパティは2つの結合された座標系に関して計算された局所座標系で定義されます。これらは最初の時点で一致している必要はありません。局所座標軸の初期位置が常に一致する場合は、ジョイントの局所フレームは平均位置に定義されます。最初の時点で一致しない場合、局所軸はまず初期状態の平均位置に変換されます。次にその局所座標系はこれらの回転軸に関して計算されます。
  3. ジョイントの局所スキューフレームで計算される自由度の数は6です:
    δ X , δ Y , δ Z , θ X , θ Y , θ Z

    clip0095
    図 1.
  4. 固定自由度とフリー自由度はそれぞれのジョイントタイプで区別されます。
  5. 固定自由度には剛性が一定しているという特徴があります。
  6. フリー自由度の剛性には大きい値を選択することを推奨します。フリー自由度では、ユーザー定義の特徴(線形または非線形弾性の場合がある)に臨界前粘性減衰を組み合わせます。
  7. 並進および回転自由度は次のように定義されます:
    (1)
    δ = d x 2 d x 1
    ここで、 d x 1 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGKbGaamiEamaaBaaaleaacaaIXaaabeaaaaa@3BA4@ d x 2 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGKbGaamiEamaaBaaaleaacaaIXaaabeaaaaa@3BA4@ は局所座標系における2つのジョイント節点の全変位です。(2)
    θ = θ 2 θ 1

    ここで θ 1 θ 2 は局所ジョイント座標フレームに関する2つの結合された物体の全相対回転です。

  8. 力とモーメントの計算:
    • 方向の力 δ は次のように計算されます:
      線形スプリング:(3)
      F = K t δ + C t δ ˙

      Κ t MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWHAoWaaSbaaSqaaiaadshaaeqaaaaa@3B22@ : 並進剛性 ( K t x , K t y , K t z )

      C t MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWHdbWaaSbaaSqaaiaadshaaeqaaaaa@3AC8@ : 並進粘性 ( C t x , C t y , C t z )

      非線形スプリング:(4)
      F = K t f ( δ ) + C t g ( δ ˙ )
    • θ 方向のモーメントは次のように計算されます:
      線形スプリング:(5)
      M = K r θ + C r θ ˙

      Κ r MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWHAoWaaSbaaSqaaiaadshaaeqaaaaa@3B22@ : 回転剛性(KrxKryKrz

      C r MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWHdbWaaSbaaSqaaiaadshaaeqaaaaa@3AC8@ : 回転粘性(CrxCryCrz

      非線形スプリング:(6)
      M = K r f ( θ ) + C r g ( θ ˙ )
    • ジョイントの長さは0にすることもできますが、常に0に等しくなければならないということはありません。ただし、球ジョイントまたはユニバーサルジョイントを定義する場合は、長さ0のスプリングを使用することを推奨します。
    • 一般的なケースでモーメントの全体的なバランスを保つため、回転自由度の補正項は次のように計算されます:(7)
      M θ x = M θ x + L y × F z L z × F y
      (8)
      M θ y = M θ y + L z × F x L x × F z
      (9)
      M θ z = M θ z + L x × F y L y × F x
  9. 使用可能なジョイントのタイプ:
    表 1. 使用可能なジョイント
    タイプ番号 ジョイントタイプ dx dy dz θ X θ Y θ Z
    1 x x x 0 0 0
    2 回転 x x x 0 x x
    3 円筒 0 x x 0 x x
    4 平面 x 0 0 0 x x
    5 ユニバーサル(Universal)(開発ソースのみ) x x x x 0 0
    6 並進 0 x x x x x
    7 オールダム x 0 0 x x x
    8 剛性 x x x x x x
    9 フリー 0 0 0 0 0 0

    ここで:

    x: 固定自由度

    0: フリー(ユーザー定義)自由度:
    • ジョイントはユーザー定義の質量や慣性をもつことができません、このため節点時間ステップが常に用いられます。
    • 粘性減衰を組み込む方法は以下の2つです:
    1. 1)臨界減衰の定義(固定自由度の場合のみ):

      臨界減衰係数の項で粘性減衰を定義します。要素の固定剛性値を使用して臨界減衰係数が計算されます。質量と慣性は、ジョイントに結合されている各剛体の値の半分です。各剛体に1つしかジョイントが結合されていない場合は、この概算で十分です。それ以外の場合は、臨界減衰が過剰に予測されるため、Radioss入力の減衰係数を小さくしてください。すべての固定自由度には同じ減衰が適用されます。

    2. ユーザー定義の一定減衰または非線形減衰:

      フリー自由度毎に独立した減衰パラメータを定義できます。

  10. Skflag = 1の場合は、1つ目の結合ボディの局所座標系としてジョイントの局所フレームが選択されます。この場合、平均スキュー位置は計算されません。ただし、2つ目の局所座標系は定義する必要があります。
  11. ユニバーサルジョイントの場合はこのオプションはアクティブではなく、常に両方のスキュー軸が局所ジョイントフレームの計算に使用されます。
  12. ユーザー定義の関数がない場合は、線形ジョイントに対して係数KrxKryKrzKtxKtyKtzが使用されます。いずれかの関数番号が0でない場合、対応する剛性係数は関数のスケールファクターになります。このルールは、すべてのジョイントタイプのすべての自由度に適用されます。
  13. ユーザー定義の関数がない場合、係数CrxCryCrzCtxCtyCtzは線形粘性係数として用いられます。いずれかの関数番号が0で無い場合、対応する係数は関数のスケールファクターになります。
  14. ユニバーサルジョイントの長さは初期状態では0に等しくなければなりません。ユニバーサルジョイントの局所スキューシステムは以下のように定義されます:

    Y局所軸 = 1つ目のボディの局所スキューシステムのX軸

    Z局所軸 = 2つ目のボディの局所スキューシステムのX軸

    X局所軸 = YΛ Z

  15. この局所フレームは最初の時点では直交している必要があります。したがって、2つの定義ボディスキュー軸のX軸が初期位置で直交する必要があります。ジョイントの局所フレームはその後、変形によって直交しなくなることもあります。その場合、力とモーメントはその非直交フレームで計算されます。
  16. /PROP/KJOINTでは、固有の局所座標系定義を使用します。 そのため、1つのプロパティで1つのスプリング要素のみを参照できます。