ACU-T:6500 多孔質媒体を通る流れ
前提条件
このチュートリアルでは、多孔質媒体を通過する流れのシミュレーションの設定、解析、および結果表示のための手順を説明します。このチュートリアルを開始する前に、入門チュートリアルであるACU-T:1000 ユーザーインターフェースをすでに完了している必要があります。また、HyperMesh CFD、AcuSolveの基本を理解しているものとします。このシミュレーションを実行するには、ライセンス供与済みバージョンのHyperMesh CFDおよびAcuSolveにアクセスできる必要があります。
問題の説明
このチュートリアルで扱う問題を以下の図に示します。この問題には、流れの部分に多孔質媒体による円筒状流路があります。この部分を流れが通過すると、圧力の低下が観測されます。このシミュレーションでは、流入速度を流れに割り当て、多孔質媒体の両端間に発生する圧力低下を計算します。多孔質部分の長さは0.06mで、流体は密度が1.225kg/m3の空気流体、その分子粘性は1.781e-5kg/m-sとして定義されます。流れの流入速度は0.2m/sです。

図 1.
AcuSolveでは、体積平均速度法と物理速度手法の2つの手法のいずれかを使用して、多孔質媒体を解析できます。このチュートリアルでは、体積平均速度法を採用しています。これは、多孔質媒体での圧力低下を適切に表すことができます。ただし、多孔質領域での速度は多孔質領域外の速度と同じままであるため、多孔質領域での速度増加を予測することはできません。多孔質領域内の速度をより正確に表すには、物理速度手法を使用します。これは、固有平均法を使用して多孔質媒体内の連続方程式と運動量方程式を解きます。
体積平均速度法を使用した多孔質領域の圧力損失は、次のようにモデル化されます:
ここで は多孔質領域での圧力低下(Pa)、 は多孔質領域の長さ(m)、 は透過率、 はダルシー係数、 はフォルヒハイマー係数、 は粘度(kg/m-sec)、 は密度(kg/m3)、 は速度の大きさ(m/sec)、 は速度(m/sec)です。
このチュートリアルでは、多孔質係数計算機能を使用して、圧力低下対速度の配列データのカーブフィッティングを行った後、ダルシー係数とフォルヒハイマー係数を計算します。カーブフィッティングには透過率が含まれていないため、多孔質領域での圧力低下を簡素化できます。

図 2.
ダルシー係数とフォルヒハイマー係数は、カーブフィット係数に基づいて計算されます。
HyperMesh CFDの起動とHyperMeshデータベースのオープン
形状の検証
Validateツールは、モデル全体をスキャンし、サーフェスおよびソリッド上でチェックを実行して、形状に不具合(フリーエッジ、閉じたシェル、交差、重複、スライバーなど)があればフラグ付けします。

図 4.
流れのセットアップ
シミュレーションパラメーターとソルバーの設定
材料プロパティの割り当て
多孔質媒体の定義
流れ境界条件の割り当て
メッシュの生成
AcuSolveの実行
Plotツールでのポスト処理
要約
このチュートリアルでは、多孔質媒体による流れのシミュレーションを設定して解析する方法を知ることができました。まず、HyperMesh CFD入力データベースをインポートして、多孔質媒体を定義しました。また、HyperMesh CFDにある計算機を使ってダルシー係数とフォルヒハイマー係数を計算する方法を学習しました。次に、流れ境界条件を割り当て、メッシュを生成しました。解析の完了後、Plotツールを使用して、多孔質部分全体の圧力低下のプロットを作成しました。






















