コーナー(角)や鋭いエッジなどのために扱いが困難である型打ちされたプレートを最適化するには、パターングルーピングと形状変数を使うことができます。
トポグラフィー変数の自動生成は、変数が完全に摂動される際に要素が裏返しに折られてしまうような状況を考慮しません。これは、そのテクニックと共に使用され得る絞り深さを制限します。
モデルファイル
開始前に、この例で使用するファイルを作業ディレクトリにコピーしてください。
モデル概要
本例では、ユーザー定義の変数を使ってこの問題を回避する方法について説明します。最適化のセットアップはすべて、HyperMeshのOptimization panelおよびそのサブパネル群を使って行います。
ハット型断面部材は中央に荷重がかけられ、曲げとねじれの両方の荷重を生成しています(
図 1)。ハット型断面部材は、4つのボルトにより両端で拘束されています。
望ましいのは、補強の寸法が単一の要素の高さよりも深いことです。これにより要素メッシュの問題が生じることのないよう、
HyperMeshによって3つの形状変数が作成され、デックに追加されます。フェイスについての形状変数と、ハット型断面部材の上面を
図 2に示します。
注: 図 2で、完全に歪んだ要素に隣接した最初の3つの列の要素群は、その面のユーザー定義の形状変数の一部である点にご留意ください。また、絞り深さは平均要素サイズの1.5倍に等しくなっています。
このハット型断面部材は、スタンピング(型打ち)工程を使って作成することが望まれます。すなわち、部材の面の補強特性は上部から下部まで一定である必要があり、そうでないと、ダイロック状態が生じてしまいます。変数の作成にはパターングルーピングが使用でき、これは、製造可能性を確実にします。ハット型断面部材の最適化用に作成される3つの変数について、面が部材の長さ方向(X軸)に垂直に延びるplanarパターングルーピングが選択されました。変数の1つについての
DTPGカードと関連の
DESVARカードを下に示します:
(1) |
(2) |
(3) |
(4) |
(5) |
(6) |
(7) |
(8) |
(9) |
(10) |
DTPG |
4 |
DVGRID |
1 |
|
|
|
|
|
|
+ |
20.0 |
60.0 |
YES |
|
|
|
|
|
|
+ |
PATRN |
13 |
500.0 |
0.0 |
0.0 |
1.0 |
0.0 |
0.0 |
|
(1) |
(2) |
(3) |
(4) |
(5) |
(6) |
(7) |
(8) |
(9) |
(10) |
DESVAR |
1 |
DV001 |
0.0 |
0.0 |
1.0 |
|
|
|
|
また、断面の半分が両方等しくなるよう、対称面が使用されています。
図 3 は、断面部材の対称面を示しています:
結果
OptiStructは、補強の可能性に多大な柔軟性を与えながらダイロック状態を防止する変数を生成します(
図 4)。
注: 荷重が適用される領域は、フェイス変数から除外される点にご留意ください。
最適化の目的は、適用される荷重についてコンプライアンスを最小にすることです。
OptiStructは、
図 5に示す形状を生成しました。
OptiStructによって生成されたソリューションは、スタンピング工程を使って製造することが可能です。また、ソリューションは非常に良好な挙動を示し、生産に入る段階の設計に至るまでにほとんど修正を要しません。
最適化された断面部材は、ビードが存在しない初期状態と比べ8倍以上の剛性を示しています。ハット型断面部材の8つの‘四角い’ビード、特に梁の末端位置の4つが、せん断破壊に対し梁を補強する鍵となっています。これらのビードはまた、曲げ荷重かでフランジが折れ曲がってしまうことを防ぐ役割を果たしています。OptiStructは、限られた補強可能性でねじれと曲げ両方をサポートする頑強な設計を生成しました。補強の形状および配置が最適化され、非常に効率的なソリューションが得られました。