/PROP/TYPE6 (SOL_ORTH)
ブロックフォーマットキーワード 直交異方性ソリッドプロパティセットを記述します。このプロパティセットは、/MAT/LAW14(COMPS0)の繊維面、/MAT/LAW24(CONC)のスチール強化方向、または/MAT/LAW28(HONEYCOMB)のセル方向の定義に使用されます。
このプロパティは、8節点線形ソリッド要素(/BRICK)、四面体要素(/TETRA4および/TETRA10)、および2次元ソリッド要素(/QUAD)に対してのみ使用できます。2次ソリッド(/BRIC20および/SHEL16)および五面体要素(/PENTA6)はこのプロパティと適合性がありません。
フォーマット
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/PROP/TYPE6/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/SOL_ORTH/prop_ID/unit_ID | |||||||||
prop_title | |||||||||
Isolid | Ismstr | Icpre | Itetra10 | Inpts | Itetra4 | Iframe | dn | ||
qa | qb | h | |||||||
Vx | Vy | Vz | skew_ID | Ip | Iorth | ||||
Px | Py | Pz | |||||||
Vdef_min | Vdef_max | APS_max | COL_min |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ndir | sphpart_ID |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
prop_ID | プロパティの識別子 (整数、最大10桁) |
|
unit_ID | 単位識別子. (整数、最大10桁) |
|
prop_title | プロパティのタイトル (文字、最大100文字) |
|
Isolid | ソリッド要素定式化フラグ。 TETRA4とTETRA10ではIsolid =1のみ使用可能です。
(整数) |
|
Ismstr | 微小ひずみ定式化フラグ。 3
(整数) |
|
Icpre | 定圧定式化フラグ 4 Isolid = 14、17、18または24の場合にのみ有効
(整数) |
|
Itetra10 | 10節点四面体要素定式化フラグ 12
(実数) |
|
Inpts | 積分点の数(Isolid =14に対してのみ) (整数) = ijk (デフォルト=222): 2 < i,j,k < 9、 Isolid =14の場合 ここで:
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|
Itetra4 | 4節点四面体要素定式化フラグ 12
(実数) |
|
Iframe | 要素座標系定式化フラグ(2次元ソリッドと標準と適合8節点3次元ソリッド: Isolid = 1、2、または17、Isolid = 14 または 24は常に共回転定式化を使用。
(整数) |
|
dn | 安定化のための数値減衰 Isolid = 24に対してのみ有効 デフォルト = 0.1(実数) |
|
qa | 2次体積粘性。 デフォルト = 1.10(実数) デフォルト = 0.0(/MAT/LAW70の場合) |
|
qb | 線形体積粘性。 デフォルト = 0.05(実数) デフォルト = 0.0(/MAT/LAW70の場合) |
|
h | アワグラス粘性係数。 Isolid = 1または2に対してのみ有効 デフォルト = 0.10(実数)、0.0 <h < 0.15である必要があります。 |
|
Vx | 参照ベクトルのX成分 9 (実数) |
|
Vy | 参照ベクトルのY成分 9 (実数) |
|
Vz | 参照ベクトルのZ成分 9 (実数) |
|
skew_ID | 直交異方性方向を定義するスキューフレーム識別子 (整数) |
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Ip | 基準面 9
(整数) |
|
Iorth | 直交異方性座標系定式化フラグ。
(整数) |
|
基準面の第1方向に対する直交異方性の角度 10 Ip > 0でのみ使用。 (実数) |
||
Px | 基準点 P の X座標(Ip = 21 または 24 のときのみ使用)。 | |
Py | 基準点 P の Y座標(Ip = 21 または 24 のときのみ使用)。 | |
Pz | 基準点 P の Z座標(Ip = 21 または 24 のときのみ使用)。 | |
ソリッド要素に対する最小時間ステップ。 /DT/BRICK/CSTまたは/DT/BRICK/DELを使用する際にのみ有効 デフォルト = 0.0(実数) |
||
Vdef_min | ソリッド要素を削除するための最小体積比(V/Vo)。Ndir ≥ 1の場合、要素は削除され、SPH要素がアクティブになります。 デフォルト = 0 |
|
Vdef_max | ソリッド要素を削除するための最大体積比(V/Vo)。Ndir ≥ 1の場合、要素は削除され、SPH要素がアクティブになります。 0と異なる場合のみ使用されます。 デフォルト = 0 |
|
ASP_max | ソリッド要素を削除するための最大アスペクト比。Ndir ≥ 1の場合、要素は削除され、SPH要素がアクティブになります。 0と異なる場合のみ使用されます。 デフォルト = 0 |
|
COL_min | ソリッド要素を削除するための最小つぶれ値。Ndir ≥ 1の場合、要素は削除され、SPH要素がアクティブになります。 デフォルト = 0 |
|
Ndir | 各ソリッド要素の方向ごとの粒子の数(整数)
(整数) |
|
sphpart_ID | Sol2SPHのSPHプロパティを記述するパート識別子 (整数) |
例 1
#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#- 1. LOCAL_UNIT_SYSTEm:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
# MUNIT LUNIT TUNIT
kg mm ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/SKEW/FIX/1
New SKEW 1
# OX OY OZ
0 100 0
# X1 Y1 Z1
1 0 -1
# X2 Y2 Z2
0 1 0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#- 2. GEOMETRICAL SETS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/SOL_ORTH/1/2
SOL_ORTH example
# Isolid Ismstr Icpre Itetra10 Inpts Itetra4 Iframe dn
14 -1 -1 0 0 0 -1 0
# q_a q_b h
0 0 0
# Vx Vy Vz skew_ID Ip Iorth
0 0 0 1 0 0
# phi Px Py Pz
0 0 0 0
# deltaT_min vdef_min vdef_max ASP_max COL_min
0 0 0 0 0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
例 2
#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#- 1. LOCAL_UNIT_SYSTEm:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
# MUNIT LUNIT TUNIT
kg mm ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/SOL_ORTH/1/2
SOL_ORTH example
# Isolid Ismstr Icpre Itetra10 Inpts Itetra4 Iframe dn
14 -1 -1 0 0 0 -1 0
# q_a q_b h
0 0 0
# Vx Vy Vz skew_ID Ip Iorth
0 0 0 0 1 0
# phi Px Py Pz
45 0 0 0
# dt_min vdef_min vdef_max ASP_max COL_min
0 0 0 0 0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
コメント
- Isolid - ソリッド要素の定式化
- Isolid = 17の場合、3次元ソリッドの偏差挙動は8個のGauss点を用いて計算されますが、バルク挙動はIcpreと共に選択できるため、すべてのソリッドタイプの材料則と適合性があります。
- Isolid = 24(HEPH)ソリッド要素は、Ishell = 24(QEPH)シェル要素によって使用されるアワグラス定式化と類似した物理的アワグラス定式化を使用します。このアワグラス定式化は、Isolid = 1または2で使用される粘性アワグラス定式化よりも良い結果を返します。
- Isolid =14(HA8)はロックフリー一般ソリッド定式化。例:Inpts = 222は8Gauss積分点ソリッドです。HA8定式化は、すべての直交異方性および等方性材料則と適合性があります。
- Isolid = 18、IcpreおよびIsmstrのデフォルト値は材料に依存し、推奨される値は次のとおりです:
デフォルト 材料則 Icpre = 2 2、21、22、23、24、27、36、52、79、81、84 Icpre = 3 12、14、15、25、28、50、53、68および の場合、1、13、16、33、34、35、38、40、41、70、および77
Icpre = 1 その他のすべての則および の場合、1、13、16、33、34、35、38、40、41、70、および77
Ismstr = 10 38、42、62、69、82、88、92、94、95 Ismstr = 11 70 Ismstr = 1 28 Ismstr = 2 すべてのその他の材料則
- 自動設定オプションIsmstr = Icpre = Iframe=-1を使用する場合、これらのオプションの値は、要素定式化、要素タイプ、材料に基づいて最適なオプションを使用して定義されます。あるいは、Ismstr = Icpre = Iframe=-2と定義すると、このプロパティで定義されているこれらのオプションの値が、要素タイプと材料則に基づいた最適な値(/DEF_SOLID参照) で上書きされます。Radiossで定義された値を確認するには、Starter出力ファイルの“PART ELEMENT/MATERIAL PARAMETER REVIEW”セクションをご確認ください。
- 微小ひずみ:
- 微小ひずみオプションを設定した場合(Ismstr =1または3)、材料則で使用されるひずみと応力が工学ひずみと工学応力になります。それ以外の場合は、真ひずみと真応力になります。
- Radioss Engineオプション/DT/BRICK/CSTは、Ismstr = 2および12の3次元ソリッドプロパティセットでのみ有効です。
- フラグIsmstr =10と12は、全ひずみ定式化を使用する材料LAW28とのみ適合性があります。
- Ismstr=12は/DT/BRICK/CSTと適合性があり、全ひずみは微小全ひずみに切り替えられます。ただし、Ismstr=2の場合と異なり、通過中に非連続性を多少生じる場合があります。
- バージョン2017より、シミュレーション中に体積が負になるLagrange要素は、シミュレーションを継続できるよう、自動的にひずみ定式化を切り替えます。これが発生すると、WARNINGメッセージがEngine出力ファイルに出力されます。以下のオプションがサポートされています。
要素タイプおよび定式化 ひずみ定式化 負の体積の処理方法 /BRICK Isolid=1、2、14、17、24
/TETRA4
/TETRA10
完全に幾何学的非線形 Ismstr = 2、4
負の体積になる前のサイクルの要素形状を使用した微小ひずみに切り替え Lagrange型全ひずみ。 Ismstr = 10、12
time=0.0における要素形状でのLagrange型全ひずみ
- Icpre - 定圧定式化フラグ
- Icpre=1は、非圧縮性または疑似非圧縮性材料で体積ロックを阻止するために使用されます。この場合、応力テンソルは球状および偏差部分に分解されます。続いて圧力が一定に留まるよう、低減積分が球状部分に使用されます。
- Icpre=2 は、弾塑性材料則に対してのみ使用できます。体積ロックを阻止するために、ポアソン係数を伴う追加の項がひずみに加えられます。材料内で尚も弾性で、そのため圧縮性である際は、ポアソン係数は小さく、材料が塑性となりそのため非圧縮性になると、ポアソン係数の項は増大して体積ロックを阻止します。詳細については、Radioss理論マニュアルをご参照ください。
- 共回転定式化:
Isolid =1または2、およびIframe =2の場合、応力テンソルは共回転座標系で計算されます。大きい回転を使用すれば、この定式化の精度は増しますが、計算コストも増加します。重要なせん断変形を伴う弾性問題または粘弾性問題の場合に適用することを推奨します。共回転定式化は、8節点3次元ソリッドと適合性があります。共回転定式化は、2次元解析および軸対称解析(/QUAD要素)とも適合性があります。
- dn - 数値減衰およびh - アワグラス粘性係数
- 数値減衰dnは、Isolid = 24(HEPH)ソリッド要素のアワグラス応力計算に使用されます。
- dn=hであるIsolid = 24とIsolid = 1または2の間で結果を比較すると、数値減衰はIsolid = 24のほうがIsolid =1または2の際より 倍小さくなります。
- ポスト処理用出力
- ソリッド要素応力のポスト処理について、アニメーションは/ANIM/BRICK/TENSを、プロットファイルは/TH/BRICKをご参照ください。
- アニメーションファイルでは、要素が共回転定式化を使用している場合、
- Isolid =14または24(常に共回転定式化を使用)
- Iframe =2でIsolid =1、2、17
ここで、応力出力は、/PROP/SOL_ORTHで定義されている材料直交異方性座標系で表現されます。そうでない(共回転定式化が使用されていない)場合、応力成分(SIGX、SIGY、SIGZ、SIGXY、SIGYZ、およびSIGXZ)は全体座標系で表現されます。
- プロットファイルでは、応力成分SX、SY、SZ、SXY、SYZ、およびSXZは全体フレームで表され、応力テンソル成分LSX、LSY、LSZ、LSXY、LSYZ、およびLSXZは直交異方性フレームで表されます(プロットファイルにおけるソリッド要素の応力のポスト処理については/TH/BRICをご参照ください)。
- 固有座標系(r-s-t)8節点3次元ソリッド(Isolid =1または2)、4節点四面体、および10節点四面体の場合、直交異方性の座標系は直交化アイソパラメトリックの座標系と同様に回転します。大きなせん断の場合、直交異方性の座標系の方向に注意を払う必要があります。
r、s、t: アイソパラメトリックフレーム
r: (1、2、6、5)の中心から(4、3、7、8)の中心まで
s:(1、2、3、4)の中心から(5、6、7、8)の中心まで
t:(1、4、8、5)の中心から(2、3、7、6)の中心まで - 直交異方性方向3次元ソリッド要素の場合、異方性方向の定義方法には以下の3つがあります:
- Ip= 0およびskew_ID ≠ 0の場合、スキューが使用されます。
基準面は使用されません。つまり、スキューがそのまま直交異方性の座標系とみなされます(この場合、r =x、s =y、および t =z)、x方向は直交異方性方向1、y方向は直交異方性方向2です。
- Ip = 1、2または3の場合、直交化アイソパラメトリックの座標系(r’-s’-t’)と直交異方性の角度が使用されます。初期直交化アイソパラメトリックの座標系(r’-s’-t’)に対して、直交異方性の座標系の初期方向(1-2-3)が定義されます。
この場合、Isolid = 0、1、または2の場合(直交化アイソパラメトリックの座標系に対して)、3次元ソリッドと同じ方法で直交異方性の座標系の初期方向が定義され、共回転座標系の方向がわかっていなくても、直交異方性の座標系の初期方向を入力できます。
- Ip = 11、12または13の場合、直交化アイソパラメトリックの座標系(r’-s’-t’)と基準ベクトル
が使用されます:
この場合、全体ベクトル を使用して直交異方性の方向を定義できます。基準ベクトルが平面に対して直角であれば、平面の第1軸が直交異方性の方向とみなされます。
2次元ソリッド要素(/QUAD)の場合、異方性方向の定義方法には以下の2つがあります:- Ip = 1の場合、アイソパラメトリックの座標系(r-s)と直交異方性の角度 が使用されます。 10
- Ip = 11の場合、基準ベクトル が使用されます:全体ベクトル を使用して直交異方性の方向を定義できます。基準ベクトルが平面に対して直角であれば、平面の第1軸(r-s)が直交異方性の方向とみなされます。
- Ip= 0およびskew_ID ≠ 0の場合、スキューが使用されます。
-
- 直交異方性の角度
2Dソリッド要素(/QUAD)の場合:
直交化アイソパラメトリックフレーム(r-s)の第1方向に対する直交異方性の角度 が定義されます。3次元ソリッド要素の場合:
Iframe = 2(共回転定式化)の場合、直交異方性の座標系は共回転座標系と同様に回転します。共回転座標系はアイソパラメトリック座標系(r-s-t)の直交化であり、r、s、tをどのように入れ替えても同じ方向になります。
- Solid to SPHプロパティ(Sol2SPH)
- Sol2SPHの使用時、1つのソリッドが接触、材料破壊基準または時間ステップ基準のせいで削除されると、ソリッド要素はSPH粒子に変換されます。
- アクティブになるSPH粒子の数は、パラメータNdirに依存します。粒子のプロパティはsphpart_IDパート番号を使用して計算されます。
- SPHプロパティではスキューの定義は必要ありません。これは、スキューの定義と配向が固体から粒子に自動的に伝達されるためです。等方性および直交異方性Sol2SPHパートに同じSPHパートIDを使用することはお勧めできません。
このオプションSol2SPHは、Isolid = 1、2または24、Iframe = 1または2とのみ互換性があります。
- Isolidフラグは4節点(/TETRA4)または10節点(/TETRA10)四面体とは使用されません。