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/MONVOL/AIRBAG (廃止)

ブロックフォーマットキーワード エアバッグのモニター体積タイプを記述します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MONVOL/AIRBAG/monvol_ID/unit_ID
monvol_title
surf_IDex                  
Ascalet AscaleP AscaleS AscaleA AscaleD
    μ Pext T0 Iequi Ittf
γi cpai cpbi cpci    
インジェクタの数
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Njet                  
Njet個のインジェクターを定義(インジェクターあたり3行)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
γ cpa cpb cpc    
fct_IDmas Iflow Fscalemas fct_IDT FscaleT sens_ID    
Ijet node_ID1 node_ID2 node_ID3            
ジェット関数のデータ(Ijet > 0の場合にのみ読み出す)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fct_IDPt fct_IDP θ fct_IDP θ   Fscalept Fscalep θ Fscalep δ
ベントホールの数
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Nvent                  
Nvent個のベントホール膜を定義(ベントホール膜あたり4行)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
surf_IDv Avent Bvent Tstop      
Tvent ΔPdef ΔtPdef fct_IDV FscaleV IdtPdef
fct_IDt fct_IDP fct_IDA   Fscalet FscaleP FscaleA
fct_IDt' fct_IDP' fct_IDA'   Fscalet' FscaleP' FscaleA'  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
monvol_ID モニター体積識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
monvol_title モニター体積のタイトル

(文字、最大100文字)

 
surf_IDex 外部サーフェス識別子 1

(整数)

 
Ascalet 時間ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[s]
AscaleP 圧力ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[Pa]
AscaleS 面積ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[m2]
AscaleA 角度ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[deg]
AscaleD 距離ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[m]
mat_ID 初期気体材料識別子(/MAT/GAS

(実数)

 
μ 体積粘性

デフォルト = 0.01(実数)

 
Pext 外圧

(実数)

[Pa]
T0 初期温度

デフォルト = 295(実数)

[K]
Iequi 初期熱力学的つり合いフラグ
= 0
エアバッグに初期充填されている気体の質量は、時間ゼロにおける体積に対して決定されます。
= 1
エアバッグに初期充填されている気体の質量は、噴射開始時における体積に対して決定されます。

(整数)

 
Ittf 排気時間シフトフラグ。注入センサーが指定されている場合のみアクティブ。
= 0または1
時間依存多孔性曲線は、注入センサーのアクティブ化時間ではシフトされません。TventTstopは無視されます。
= 2
時間依存多孔性曲線はTinjTinjは、第1インジェクターがセンサーでアクティブになる時間として定義されます)でシフトされます。
TventTstopは無視されます。
= 3
時間依存多孔性曲線はTinj +Tventでシフトされます。Tstopが指定されている場合、排気はTinj + Tstopで停止します。
 
γi 初期温度における比熱の比

γi=cpicvi

(実数)

 
cpai 関係式cpi(T)のcpa係数

(実数)

[JkgK]
cpbi 関係式cpi(T)のcpb係数

(実数)

[JkgK2]
cpci 関係式cpi(T)のcpc係数

(実数)

[JkgK3]
Njet インジェクタの数

(整数)

 
γ 比熱の比

γ=CpCv

(実数)

 
cpa 関係式cp(T)のcpa係数

(実数)

[JkgK]
cpb 関係式cp(T)のcpa係数

(実数)

[JkgK2]
cpc 関係式cp(T)のcpa係数

(実数)

[JkgK3]
surf_IDv ベントホール膜サーフェス識別子

(整数)

 
Avent surf_IDv0の場合: サーフェスに対するスケールファクター

デフォルト = 1.0

surf_IDv = 0の場合: ベントホールのサーフェス

デフォルト = 0.0(実数)

[m2] surf_IDV = 0の場合
Bvent surf_IDv0の場合: 衝撃を受けるサーフェスに対するスケールファクター

デフォルト = 1.0

surf_IDv = 0の場合: Bvent は、0に設定

デフォルト = 0.0(実数)

[m2]surf_IDV = 0の場合
Tstop 排気の停止時間

デフォルト = 1E+30(実数)

[s]
Tvent 排気の開始時間

デフォルト = 0.0(実数)

[s]
ΔPdef ベントホール膜を開口する圧力差( ΔPdef = Pdef - Pext

(実数)

[Pa]
ΔtPdef 圧力がPdefを超えてベントホール膜が開口するまでの最短時間

(実数)

[s]
fct_IDV 流出速度関数識別子

(整数)

 
FscaleV fct_IDのスケールファクターV

デフォルト = 1.0(実数)

[ms]
IdtPdef ΔPdef に到達した場合の時間遅延フラグ:
= 0
排気をアクティブにするには、 ΔtPdef の累積時間の間、圧力が ΔPdef を超える必要があります。
= 1
排気は、 ΔPdef に到達した後、 ΔtPdef が経過すると、アクティブになります。
 
fct_IDt 空隙率対時間関数識別子

(整数)

 
fct_IDP 空隙率対圧力関数識別子

(整数)

 
fct_IDA 空隙率対面積関数識別子

(整数)

 
Fscalet fct_IDtのスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleP fct_IDのスケールファクターP

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleA fct_IDのスケールファクターA

デフォルト = 1.0(実数)

 
fct_IDmas 注入気体の質量対時間関数の識別子

(整数)

 
Iflow 質量対時間関数の入力タイプフラグ
= 0
質量が入力されます
= 1
質量流量が入力されます。

(整数)

 
Fscalemas 質量関数のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[kg] または [kgs]
fct_IDT 注入気体の温度対時間関数の識別子

(整数)

 
FscaleT 温度関数スケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[K]
sens_ID センサーの識別子

(整数)

 
Ijet ジェットフラグ
= 0
ジェット効果なし
= 1
ジェット効果あり

(整数)

 
node_ID1node_ID2node_ID3 ジェット形状を定義するための節点識別子N1N2N3

(整数)

 
fct_IDPt Ijet = 1の場合: ΔPt を定義する関数の識別子番号

(整数)

 
fct_IDP θ Ijet = 1の場合: ΔP(θ) を定義する関数の識別子番号

(整数)

 
fct_IDP δ Ijet = 1の場合: 右記を定義する関数の識別子番号; ΔP(δ)

(整数)

 
FscalePt Ijet = 1の場合: fct_IDのスケールファクターPt

デフォルト = 1.0(実数)

[Pa]
FscaleP θ Ijet = 1の場合: fct_IDのスケールファクターP θ

デフォルト = 1.0(実数)

[Pa]
FscaleP δ Ijet = 1の場合: fct_IDのスケールファクターP δ

デフォルト = 1.0(実数)

[Pa]
Nvent ベントホールの数

(整数)

 
fct_IDt' 接触時の空隙率対時間関数識別子

(整数)

 
fct_IDP' 接触時の空隙率対圧力関数識別子

(整数)

 
fct_IDA' 空隙率対被衝撃サーフェス関数識別子

(整数)

 
Fscalet' fct_IDのスケールファクターt'

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleP' fct_IDのスケールファクターP'

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleA' fct_IDのスケールファクターA'

デフォルト = 1.0(実数)

 

コメント

  1. surf_IDexは、3節点または4節点シェル要素(ボイド要素の場合もあります)に関連付けられたセグメントを使用して定義する必要があります。
  2. 体積は、閉じていて法線が外向きである必要があります。
  3. 横軸のスケールファクターは、エアバッグ関数の横軸の単位を変換するために使用されます。たとえば:(1)
    F(t)=fct_ID(tAscalet)

    ここで、tは時間です。

    たとえば、入力データの単位が[ms]だが、単位[s]でのデータが必要な場合は、Ascaleを0.001に設定します。(2)
    F(p)=fct_ID(pAscalep)

    ここで、pは圧力です。

  4. 初期圧力はPextに設定されます。
  5. 時間ゼロ(Iequi =0)または噴射開始時(Iequi =1)の初期熱力学的つり合いを記述します。初期熱力学的つり合いは、時間ゼロの体積または噴射開始時の体積に対して、次の式に基づいて求めます: PextV=RM0MiT0
    ここで、M0はエアバッグに初期充填されている気体の質量、Miはエアバッグに初期充填されている気体のモル質量、Rは単位系に依存する気体定数です(3)
    R=8.314JmoleK
  6. エアバッグに初期充填されている気体の、定圧における単位質量あたりの比熱容量cpiは、次のように温度に対する2次式になります:(4)
    cpi(T)=cpa+cpbi*T+cpci*T2
  7. 初期温度 γ iでの気体定数は、次の関係式に従って、エアバッグに初期充填されている気体の、初期温度における単位質量あたりの比熱、およびモル質量に関係付ける必要があります:(5)
    (γ1)γicpi(To)=RMi
    ここでMiはエアバッグに初期充填されている気体のモル質量、Rは単位系に依存する気体定数です。(6)
    R=8.314JmoleK
  8. エアバッグに初期充填されている気体の特性にはデフォルト値がないため、定義する必要があります。また、その特性は各伝達エアバッグで同じでなければなりません。
  9. γ i = 0の場合、エアバッグに初期充填されている気体の特性は、第1インジェクターによって供給される気体の特性に設定されます。
  10. 定圧における単位質量あたりの気体の比熱の比cpiは、次のように温度に対する2次式になります:(7)
    cp(T)=cpa+cpb*T+cpc*T2
  11. 初期温度 γ での気体定数は、次の関係式に従って、気体の初期温度における、単位質量あたりの比熱およびモル質量に関係させる必要があります:(8)
    (γ1)γcp(To)=RM
    ここで、
    M
    気体のモル質量
    R
    単位系に依存する気体定数
    (9)
    R=8.314JmoleK
  12. ジェットを使用した場合、エアバッグの各要素に追加のΔ Pjet圧力:(10)
    ΔPjet=ΔP(t)*ΔP(θ)*ΔP(δ)*max(n*m,0)
  13. ここで、 m は要素の中心をセグメント(node_ID1node_ID3)上に投影したポイントから要素の中心までの正規化ベクトル、 θ はベクトルMN2 m の間の角度(単位は度)、 δ は要素の中心から、要素の中心をセグメント(node_ID1node_ID3)上に投影したポイントまでの距離です。
    ポイントのセグメント(node_ID1node_ID3)上への投影は、ポイントをMN2の方向に向けてライン(node_ID1node_ID3)上へ投影したものとして定義されます。この場合、投影先がセグメント(node_ID1node_ID3)に含まれる必要があります。投影先がセグメントに含まれない場合、ポイントのセグメント(node_ID1node_ID3)上への投影は、node_ID1またはnode_ID3のうち、近い方の節点として定義されます。

    clip0087
    図 1. ジェット機の上反角

    ここで、MN1N3の間です。

  14. node_ID3 = 0の場合、node_ID3node_ID1に設定され、二面体は円錐形に減少します。
  15. fct_IDV = 0の場合は、等エンタルピー流出が想定されます。0でない場合はChemkinモデルが使用され、流出速度は次の式で求められます:(11)
    ν=FscaleVfct_IDV(PPext)
    • 等エンタルピーモデル

      排気、すなわちモニター体積からの気体の排出は等エンタルピーであると想定されます。

      また、流動は衝撃がなく、大容量の容器から流出し、有効表面積Aの狭い開口部を通ると想定されます。

      エンタルピー保存則から、ベントホールにおける速度uが導出されます。したがって、Bernouilli式は次のように記述されます。

      (モニター体積) γγ1Pρ=γγ1Pextρvent+u22 (ベントホール)

      断熱条件を適用すると、次の式になります。

      (モニター体積) Pργ=Pextρventγ (ベントホール)

      ここで、Pはエアバッグに流入する気体の圧力、 ρ はエアバッグに流入する気体の密度です。

      したがって、流出速度は次の式によって定義されます:(12)
      u2=2γγ1Pρ(1(PextP)γ1γ)

      超音速流れでは、流出速度は理論マニュアルの10.4.4.1の記述で決められます。

      質量の流出速度は次の式によって定義されます。(13)
      ˙mout=ρvent*vent_holes_surface*u=ρ(PextP)1γ*vent_holes_surface*u
      エネルギーの流出速度は次の式によって定義されます:(14)
      ˙Eout=˙moutEρV=(PextP)1γ*vent_holes_surface*uEV

      ここで、Vはエアバッグの体積、Eはエアバッグに流入する気体の内部エネルギーです。

    • Chemkinモデル(15)
      ˙mout=vent_holes_surface*Fscalev*fct_IDv(PPext)*ρ

      ここで、 ρ はエアバッグ内の気体の密度です。

  16. ベントホールのサーフェスは、次のように計算されます。(16)
    vent_holes_surface=Avent*Anon_impacted*fct_IDt(Anon_impacted/A0)*fct_IDP(PPext)
    (17)
    +Bvent*Aimpacted*fct_IDt(Aimpacted/A0)*fct_IDP(PPext)
    ここで、衝撃を受けるサーフェスは:(18)
    Aimpacted=eSventnc(e)n(e)Ae
    衝撃を受けないサーフェスは:(19)
    Anon_impacted=eSvent(1nc(e)n(e))Ae

    ここで、ベントホールsurf_IDvの各要素eに対して、nc(e)は、要素を定義している節点n(e)のうち衝撃を受ける節点の数を表しています。


    Image12
    図 2. 衝撃を受けるサーフェス / 衝撃を受けないサーフェスと接触する節点
  17. 関数fct_IDt''fct_IDP'を指定しなかった場合(識別子が0)、これらは1に等しいとみなされます。
  18. 関数fct_IDA'を指定しなかった場合、fct_IDA'(A) = Aであるとみなされます。
  19. 接触中に空隙率を使用するためには、関係するインターフェース(インターフェースタイプ5および7の行3)において、フラグIBAG1に設定する必要があります。そうしなかった場合は、衝撃でインターフェースに押し込まれる節点は、AimpactedAnon_impactedに関する前の式の被衝撃節点と見なされません。
  20. 排気を定義する場合、エアバッグのサーフェスおよび放出を行うサーフェスの定義に関して、次のようにいくつか制限があります。
    • エアバッグの外部サーフェスは、シェル要素および3節点シェル要素のみで構築されている必要があります。
    • /SURF/SEGオプションでエアバッグの外部サーフェスを定義することはできません(/SURF/SEGオプションでサブサーフェスを定義した場合は、/SURF/SURFオプションで定義することもできません)。
    • ベントホールのサーフェスにもこれと同じ制限が適用されます。
    • ベントホールのサーフェスに含まれるシェル要素および3節点シェル要素は、外部サーフェスにも含まれる必要があります。
  21. T>Tventの場合、または ΔtPdef よりも長い時間、圧力がPdefを超えた場合は、ベントホール膜は収縮します。