シェイプのチェックまたはスムージング

Check/Smooth機能は、シェイプの組み合わせにおける要素品質のチェックに使用します。また、個々に、またはシェイプの組み合わせの一部としてシェイプのスムージングを行い要素の品質を上げるのに使用することもできます。

チェックおよびスムージング機能は、シェイプの最適化の効率を上げることを目的としています。Radiossなどのシェイプ最適化ソルバーでは、要素品質が一定の限界値に収まると繰り返し計算が終了します。チェックおよびスムージング機能は、シェイプが結合された場合の要素品質の向上と最適化実行が確実に正常終了するよう、どのシェイプにおいて最大および最小境界を適用できるかの計算をサポートします。

  1. MorphリボンでShapesツールをクリックします。


    図 1.
    Edit Shapesダイアログが開きます。
  2. チェックまたはスムージングするシェイプを選択します。
  3. 選択したシェイプのいずれかを右クリックして、コンテキストメニューからCheck/Smoothを選択します。
    Check/Smoothダイアログが開きます。
  4. Check/Smoothダイアログでオプションを選択します。
    オプション 説明
    smooth shapes action switch シェイプと組み合わせのチェック、シェイプのスムージング、またはシェイプと組み合わせのスムージングのいずれを実行するのかを選択します。

    Check shapes and combinations: 選択されたシェイプすべてについて可能な組み合わせをすべてチェックし各組み合わせにおける要素品質を含むレポートを作成します。

    Smooth shapes: 選択されたすべてのシェイプを個々にスムージングし、各組み合わせにおける要素品質を含むレポートを作成します。

    Smooth shapes and combinations: すべての選択されたシェイプを個々にスムージング後、各組み合わせにおけるスムージングを行い、要素品質の最適化を行います。レポートには、各組み合わせの要素品質が含まれます。このオプションは、最適化実行中などにシェイプが結合される場合に最も良い品質の要素を生成します。

    Report file 作成されるレポートファイルの名前を指定するか、保存アイコンをクリックして対象となるファイルを選択します。
    Edit checks Smooth Shapesで使用する要素チェックをカスタマイズします。

    表示されるこのダイアログでは、サポートされている6種類の要素タイプのそれぞれを、要素タイプのプルダウンメニューから選択できます。各要素タイプにおける7種類の要素チェックは個々にアクティブまたは非アクティブに設定できます。3つすべての要素品質の限界値は、各要素テストと要素タイプごとに設定できます。

    Exclude elementsセレクターを使用して、タイプやテストに関係なく、すべての要素品質チェックから任意の要素を除外することができます。
    注: 要素品質と除外対象要素の設定には永続性があります。つまり、手動で消去しない限りメモリに永続的に保存され、シェイプに対して今後実行するスムージング操作に同じ設定が適用されます。これらの設定は、モデルファイルには保存されないため、HyperMeshの新たなセッションを起動するとデフォルト値に戻ります。
    Fix features スムージング中に固定される節点を選択します。つまり、ここで選択された節点におけるシェイプの節点摂動は、スムージングの影響を受けません。

    Edges & feature lines: メッシュのエッジ上にあるすべての節点を、ソリッド要素の外表面上でフィーチャーラインに沿って配置されたすべての節点と共に固定します。フィーチャーラインは、指定されたフィーチャー角度に基づいて決定されます。

    Edges: メッシュのエッジ上のすべての節点を固定します。

    Edges & faces: メッシュのエッジ上にあるすべての節点を、ソリッド要素の外表面上に配置されたすべての節点と共に固定します。

    None: どの節点も固定しません。

    Fixed nodes スムージング中に固定される節点を選択します。つまり、ここで選択された節点におけるシェイプの節点摂動は、スムージングの影響を受けません。ここでは、fixed nodesセレクターにより選択された固定節点に更に追加する固定節点を選択します。
    Constraints Fix: スムージング中にすべての制約された節点を固定します。節点を固定するというのは、節点におけるシェイプの節点摂動はスムージングによって影響を受けないことを意味します。

    Apply: スムージング中にすべてのモーフィング制約を適用します。

  5. Check/Smoothをクリックします。
レポートファイルは、選択されたオプションに関わらず、3つのセクションに分割されます。
最初のセクションには、各要素タイプにおいて有効なテストのための要素品質の限界値が含まれます。6つの要素タイプ:trias、quads、tetras、pyras、pentas、およびhexasがサポートされます。7つの要素品質テスト:aspect ratio、skew、minimum angle、maximum angle、warpage、tetra collapse、およびjacobianがサポートされます。各要素タイプのための個々のテストには、3つの限界タイプ:warning、error、およびinvalidがあります。要素品質がこれらの限界値を超えた場合、warningまたはerrorがレポートされます。テスト実行を有効にしていない場合、限界値フィールドにはダッシュ(-)が書き出されます。
Element quality limits
Trias
  Test                Warning     Error     Invalid
    Aspect ratio        50.000    500.000  10000.000
    Skew                75.000     85.000     90.000
    Minimum angle       15.000      3.000      0.000
    Maximum angle      165.000    177.000    180.000
    Warpage            -------    -------    -------
    Tetra collapse     -------    -------    -------
    Jacobian           -------    -------    -------

レポートファイルの2つ目のセクションには、選択されたシェイプの各組み合わせについて1つのサブセクションが含まれます。各サブセクションには、選択されたシェイプのリストと与えられた組み合わせのそれぞれのシェイプに適用された乗数が含まれます。また、各サブセクションには、有効になっているテスト:aspect ratio、skew、minimum angle、maximum angle、warpage、tetra collapse、およびjacobianにおいて、最も品質の悪い値が含まれます。各テストにおける最悪の結果は、最適化実行がwarningまたはerrorを警告するかどうかを決定する要素品質の限界値との比較によって評価されます。また、この場合、これは、サブセクション内に、問題のある要素のIDと要素タイプのための要素テスト限界値と共に出力されます。

16のシェイプ組み合わせを持つレポートファイルの15番目のセクションの例:
Combination 15
  Shape        2 applied at   1.0000
  Shape        3 applied at   1.0000
  Shape        4 applied at   1.0000
  Shape        5 applied at   0.0000
  ***** warning - poor element quality *****
  Aspect ratio      4.240
  Skew             60.303   Elem id 112   Limits:  60.000   75.000   90.000
  Minimum angle    26.718
  Maximum angle  158.141
  Warpage           0.000
  Tetra collapse    1.000
レポートファイルの3つ目のセクションには、各シェイプの最小値と最大値が含まれます。この値は、エラー結果の回避または要素品質による最適化実行の中断の回避を可能にします。
Optimization errors can be avoided using the following limits:
  Shape        2  upper bound   0.9230   lower bound   0.0000
  Shape        3  upper bound   0.8680   lower bound   0.0000
  Shape        4  upper bound   0.9230   lower bound   0.0000
  Shape        5  upper bound   0.8680   lower bound   0.0000
これらの値を、DESVARに上限および下限値として設定した場合、最適化の実行は適用されるシェイプの組み合わせに関係なく要素の品質によるエラーが原因で実行が中断されることはありません。