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/INTER/TYPE23

ブロックフォーマットキーワード エアバッグ用の接触インターフェースを定義し、エアバッグに属することになるメインサーフェスとセカンダリサーフェスの間の接触をモデル化します。

これは、折りたたまれたエアバッグのメッシュによく見られる貫通および交差を扱うことができる、穏やかなペナルティ接触です。このインターフェースは自己接触に使用できます。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/INTER/TYPE23/inter_ID/unit_ID
inter_title
surf_IDs surf_IDm Istf   Igap   Ibag Idel    
Fscalegap Gapmax Fpenmax      
Stmin Stmax          
Stfac Fric Gapmin Tstart Tstop
IBC     Inacti VISs     Bumult
Ifric Ifiltr Xfreq            
Ifric > 0の場合のみ、この入力を読み込みます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
C1 C2 C3 C4 C5
Ifric > 1の場合のみ、この入力を読み込みます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
C6        
空白
空白
空白

定義

フィールド 内容 SI単位の例
inter_ID インターフェースの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
inter_title インターフェースのタイトル

(文字、最大100文字)

 
surf_IDs セカンダリサーフェスの識別子

(整数)

 
surf_IDm メインサーフェスの識別子

(整数)

 
Istf 剛性定義フラグ
= 0
Stfacは剛性スケールファクターで、剛性はセカンダリ側の特性に応じて計算されます。
= 1
Stfacは剛性値です。

(整数)

 
Igap ギャップ/要素オプションフラグ 3
= 0
ギャップは一定で、最小ギャップと一致します。
= 1
可変ギャップは被衝撃メインサーフェスおよび衝撃セカンダリ節点の特性に応じて変化します。

(整数)

 
Ibag 接触時のエアバッグベントホール閉鎖フラグ
= 0(デフォルト)
閉鎖無し
= 1
閉鎖

(整数)

 
Idel 節点削除フラグ。
= 0(デフォルト)
削除しません。
= 1
結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除します。

(整数)

 
Fscalegap ギャップスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

 
Gapmax 最大ギャップ
= 0
ギャップの最大値が存在しません。

(実数)

[m]
Fpenmax 初期貫通の最大比率。 4

(実数)

 
Stmin 最小剛性

(実数)

[Nm]
Stmax 最大剛性

デフォルト = 1030(実数)

[Nm]
Stfac インターフェース剛性(Istf = 1の場合)

デフォルトは0.0に設定されます(実数)

[Nm]
インターフェースの剛性スケールファクター(Istf = 0の場合)

デフォルト = 1.0(実数)

Fric Coulomb摩擦。

(実数)

 
Gapmin 衝撃アクティブ化の最小ギャップ

(実数)

[m]
Tstart 開始時間

(実数)

[s]
Tstop 一時的な非アクティブ化の時間。

(実数)

[s]
IBC 接触時の境界条件の非アクティブ化フラグ

(ブーリアン)

 
Inacti 初期貫通時の剛性の剛性非アクティブ化フラグ 4
= 0
処理を実行しません。
= 1
節点の剛性を非アクティブ化します。
= 5
ギャップは時間と共に変化し、初期ギャップは次のように計算されます:
gap0=GapP0 ここで P0 は初期貫通
= 6
ギャップは時間経過により変化し、初期貫通は下記のように計算されます(節点がわずかに貫通を受けます):
gap0=GapP05%(GapP0)

(整数)

 
VISs インターフェース剛性の臨界減衰係数

デフォルトは1.0に設定されます(実数)

 
Bumult ソート係数。 5 6

デフォルトは0.20に設定されます(実数)

 
Ifric 摩擦定式化フラグ。 8 9
= 0(デフォルト)
静的なCoulomb摩擦則。
= 1
汎用の粘性摩擦則。
= 2
(修正)Darmstad摩擦則。
= 3
Renard摩擦則。
= 4
指数関数的減衰摩擦則。

(整数)

 
Ifiltr 摩擦フィルタリングフラグ。 10
= 0(デフォルト)
フィルターを使用しません。
= 1
単純な数値フィルター。
= 2
フィルタリング時間による標準の-3dBフィルター。
= 3
カットオフ周波数による標準の-3dBフィルター。

(整数)

 
Xfreq フィルタリング係数。

0から1の間の値にする必要があります。

(実数)

 
C1 - C6 (オプション)摩擦則係数

(実数)

参照: 表 1

境界条件の非アクティブ化フラグ:IBC

(1)-1 (1)-2 (1)-3 (1)-4 (1)-5 (1)-6 (1)-7 (1)-8 (1)-9 (1)-10
              IBCX IBCY IBCZ

定義

フィールド 内容 SI単位の例
IBCX 衝撃時のX境界条件の非アクティブ化フラグ
= 0
フリー自由度
= 1
固定自由度

(ブーリアン)

 
IBCY 衝撃時のY境界条件の非アクティブ化フラグ
= 0
フリー自由度
= 1
固定自由度

(ブーリアン)

 
IBCZ 衝撃時のZ境界条件の非アクティブ化フラグ
= 0
フリー自由度
= 1
固定自由度

(ブーリアン)

 

コメント

  1. 接触剛性の場合:

    K=StfacKs Istf = 0の場合

    このとき、

    Ks はセカンダリ成分の等価節点剛性で、次のように計算されます:

    Ks=Stfac0.5Et 節点がシェル要素に結合されている場合。

    ここで、
    E
    ヤング率
    B
    セカンダリ成分の体積弾性率
    t
    シェル厚
    V
    ソリッド要素の体積
  2. Gapminが指定されなかった場合または0に設定された場合は、デフォルト値が t (セカンダリシェル要素の平均板厚)の最小値として計算されます。
  3. Igap = 1の場合、可変ギャップは次のように計算されます:(1)
    max[Gapmin,min(Fscalegapgs,Gapmax)]

    このとき、

    gs: セカンダリ節点のギャップ:

    gs=t2 ここで t は、セカンダリ節点に結合されているシェル要素の最大板厚です。

    セカンダリ節点が複数のシェルに結合されている場合は、計算された中で最も大きいセカンダリギャップが使用されます。

    可変ギャップは常にGapmin以上です。

  4. 膨張前にインターフェースに対する数値(高周波数)の影響を回避するためには、Inacti = 6が推奨されます。


    図 1.
    Inacti = 5または6で、かつFpenmaxが0でない場合、次の条件が満たされると、節点剛性は非アクティブになります:(2)
    PenetrationFpenmaxGap
  5. ソートアルゴリズムを高速化するには、ソート係数Bumultを使用します。
  6. ソート係数Bumultはマシンによって異なります。
  7. 1つの節点が2つのサーフェスに同時に属することができます。
  8. 摩擦定式化の場合
    • 摩擦フラグIfric = 0(デフォルト)の場合は、従来の静的摩擦係数の定式化が使用されます:

      FtμFn ここで、 μ=Fric μ は、クーロン摩擦係数)

    • フラグIfric > 0の場合、新しい摩擦モデルが導入されます。この場合、摩擦係数は次の関数によって設定されます: μ=μ(ρ,V)
      ここで、
      p
      メインセグメントの垂直抗力の圧力
      V
      メインセグメントに相対するセカンダリ節点の接線速度
  9. 現在は、係数C1C6を使用して、新しい摩擦定式化の可変摩擦係数 μ を定義しています。
    以下の定式化を使用できます:
    • Ifric = 1(汎用の粘性摩擦則):(3)
      μ=Fric+C1p+C2V+C3pV+C4p2+C5V2
    • Ifric = 2(修正Darmstad則):(4)
      μ=Fric+C1e(C2V)p2+C3e(C4V)p+C5e(C6V)
    • Ifric = 3(Renard則):

      μ=C1+(C3C1)VC5(2VC5) の、 V[0,C5]

      μ=C3((C3C4)(VC5C6C5)2(32VC5C6C5)) 、右記の場合; V[C5,C6]

      μ=C211C2C4+(VC6)2 、右記の場合; VC6

      ここで、
      C1=μs
      C2=μd
      C3=μmax
      C4=μmin
      C5=Vcr1
      C6=Vcr2

      第1臨界速度 Vcr1=C5 は、0以外にする必要があります( C50 )。

      第1臨界速度 Vcr1=C5 は、第2臨界速度 Vcr2=C6 より小さくする必要があります( C5<C6 )。

      静止摩擦係数 C1 と動摩擦係数 C2 は、最大摩擦 C3 より小さくする必要があります( C1C3 かつ C2C3 )。

      最小摩擦係数 C4

    • Ifric = 4(指数関数的減衰摩擦則):
      摩擦係数は、接触面の相対速度 V に依存すると仮定し、次式に従う:(5)
      μ=C1+(FricC1)e(C2|V|)
    表 1. 摩擦定式化の単位
    Ifric Fric C1 C2 C3 C4 C5 C6
    1   [1Pa] [sm] [sPam] [1Pa2] [s2m2]  
    2   [1Pa2] [sm] [1Pa] [sm]   [sm]
    3           [ms] [ms]
    4     [sm]        
  10. 摩擦フィルタリング
    Ifiltr0の場合は、接線力がフィルターを使用して以下のようにスムージングされます:(6)
    FTf=αFT(t)+(1α)FTf(tdt)
    ここで、
    FTf
    フィルタリングされた接線力。
    FT(t)
    フィルター前の時間 t における計算された接線力。
    FTf(tdt)
    前の時間ステップでフィルタリングされた接線力
    t
    現在のシミュレーション時間
    dt
    現在のシミュレーション時間ステップ
    α
    フィルタリング係数
    ここで、 α 係数は、以下のように計算されます:
    • Ifiltr =1の場合、 α=Xfreq 、単純な数値フィルターで、値の範囲は01です。
    • Ifiltr =2の場合、 α=2πXfreq 、標準の-3dBフィルターで、フィルター処理する時間ステップ数は Xfreq=dtT として定義されます。Tはフィルター処理周期です。
    • Ifiltr = 3の場合、 α=2πXfreqdt カット周波数Xfreqを使用する標準の-3dBフィルター
  11. 摩擦ペナルティ定式化タイプは、増分剛性定式化に基づきます。
    摩擦力は次のとおりです:(7)
    Fnewt=min(μFn,Fadh)

    このとき、粘着力は以下のように計算されます:

    Fadh=Foldt+ΔFt ここで、 ΔFt=KVtdt

    Vt は、メインセグメントに相対するセカンダリ節点の接線速度