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/INTER/TYPE5

ブロックフォーマットキーワード このインターフェースは、メインサーフェスと、セカンダリ節点のリストとの間の衝撃をシミュレーションするために使用されます。

内容

このインターフェースの主な用途は以下のとおりです:
  • サーフェス上のビームトラススプリング節点の衝撃シミュレーション
  • 単純な凸型サーフェスに対する複雑な細かいメッシュの衝撃シミュレーション
  • 剛壁の置き換え

このインターフェースの主な制限については、コメント 1をご参照ください。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/INTER/TYPE5/inter_ID/unit_ID
inter_title
grnd_IDs surf_IDm         Ibag Idel    
Stfac Fric Gap Tstart Tstop
IBC   IRm Inacti            
Ifric Ifiltr Xfreq   sens_ID Ptlim    
Ifric > 0の場合のみ、この入力を読み込みます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
C1 C2 C3 C4 C5
Ifric > 1の場合のみ、この入力を読み込みます。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
C6                

定義

フィールド 内容 SI単位の例
inter_ID インターフェースの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位の識別子

(整数、最大10桁)

 
inter_title インターフェースのタイトル

(文字、最大100文字)

 
grnd_IDs セカンダリ節点グループ識別子

(整数)

 
surf_IDm メインサーフェスの識別子

(整数)

 
Ibag 接触時のエアバッグベントホール閉鎖フラグ
= 0(デフォルト)
閉鎖無し
= 1
閉鎖

(整数)

 
Idel 節点およびセグメントの削除フラグ。 5
= 0(デフォルト)
削除しません。
= 1
1つのセグメントに関連付けられたすべての要素4節点シェル、3節点シェル、ソリッド)が削除されると、メイン側の面からそのセグメントを削除します。このセグメントはEngineファイルでRadioss Engineキーワード/DELを使用した明示的な削除の場合にも、削除されます。
さらに、結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除します。
= 2
4節点シェル、3節点シェル、またはソリッド要素が削除されると、メイン側の面から、対応するセグメントを削除します。このセグメントはEngineファイルでRadioss Engineキーワード/DELを使用した明示的な削除の場合にも、削除されます。
さらに、結合されていない節点もインターフェースから削除されます。
= -1
結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除する以外は、=1と同様です。
= -2
結合されていない節点をインターフェースのセカンダリ側から削除する以外は、=2と同様です。

(整数)

 
Stfac インターフェース剛性スケールファクター。

デフォルト = 0.2(実数)

 
Fric Coulomb摩擦。

(実数)

 
Gap 衝撃アクティブ化のギャップ。

(実数)

[m]
Tstart 接触衝撃を計算するための開始時間

(実数)

[s]
Tstop 一時的な非アクティブ化の時間。

(実数)

[s]
IBC 接触時の境界条件の非アクティブ化フラグ

(ブーリアン)

 
IRm メインサーフェスセグメントのリナンバリングのフラグ。
= 0
セグメントがソリッド要素に結合されている場合に法線がソリッド要素に入ると、法線が反転します(セグメントの番号が付け替えられます)。
= 1
法線は常に反転します(セグメント1234は2143として読み込まれます)。
= 2
法線の反転は発生しません(ソリッド要素に結合されたセグメントの番号付け替えは行われません)。

(整数)

 
Inacti 初期貫通の削除フラグ 12
= 0
処理を実行しません。
= 3
初期貫通が発生しないように、セカンダリ節点の座標を変更します
= 4
初期貫通が発生しないように、メイン節点の座標を変更します

(整数)

 
Ifric 摩擦定式化フラグ。 9
= 0(デフォルト)
静的なCoulomb摩擦則。
= 1
汎用の粘性摩擦則。
= 2
(修正)Darmstad摩擦則。
= 3
Renard摩擦則。

(整数)

 
Ifiltr 摩擦フィルタリングフラグ。 10
= 0(デフォルト)
フィルターを使用しません。
= 1
単純な数値フィルター。
= 2
フィルタリング時間による標準の-3dBフィルター。
= 3
カットオフ周波数による標準の-3dBフィルター。

(整数)

 
Xfreq フィルタリング係数。0~1の値である必要があります。

(実数)

 
sens_ID インターフェースをアクティブ化 / 非アクティブ化するためのセンサーの識別子

識別子センサーが定義されている場合は、インターフェースのアクティブ化 / 非アクティブ化はセンサーに基づき、TstartまたはTstopには基づきません。

(整数)

 
Ptlim 最大接線圧力 13

通常、 Ptlim は降伏応力として定義されます。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
C1 - C6 摩擦則係数。

(実数)

参照: 表 1

境界条件の非アクティブ化フラグ:IBC

(1)-1 (1)-2 (1)-3 (1)-4 (1)-5 (1)-6 (1)-7 (1)-8
          IBCX IBCY IBCZ

定義

フィールド 内容 SI単位の例
IBCX
=1
衝撃時のX境界条件の非アクティブ化フラグ

(ブーリアン)

 
IBCY
=1
衝撃時のY境界条件の非アクティブ化フラグ

(ブーリアン)

 
IBCZ
=1
衝撃時のZ境界条件の非アクティブ化フラグ

(ブーリアン)

 

コメント

  1. このインターフェースの主な制限を以下に示します:
    • メインセグメントの法線は、メインサーフェスからセカンダリ節点の方向に向いている必要があります。
    • メイン側のセグメントは、ソリッド要素またはシェル要素に結合されている必要があります。
    • 同一の節点を2つの衝撃サーフェスに配置することはできません。
    • 検索に関する問題(Radioss Theory ManualCommon Problemsをご参照ください)。
  2. メインサーフェスセグメントの法線は、すべてセカンダリサーフェスの方向を向いている必要があります。そうでない場合、法線の方向が混在していると、初期貫通が発生する可能性があります。
  3. セカンダリサーフェスとメインサーフェスは位相的に異なっている必要があります。節点を同時に2つのサーフェス上に配置することはできません。
  4. フラグ Idel = 1のCPUコストはIdel = 2よりも高くなります。
  5. メイン側の剛性がセカンダリ側の剛性より大幅に低い場合、剛性係数Stfac1より大きい値に増やすことができます。これ以外の場合、剛性係数は0から1の間の値にする必要があります。
  6. 例えば、インターフェースの剛性バランスは、以下のように求めることができます:(1)
    StfacEsesEmem
    ここで、
    Em
    メインの剛性
    em
    メインの板厚
    Es
    セカンダリの剛性
    es
    セカンダリの板厚
  7. IBCX = 1の場合、X方向の境界条件は非アクティブとなります。IBCYおよびIBCZは、それぞれY方向とZ方向で同様の挙動を示します。
  8. 境界条件は、セカンダリ節点でのみ非アクティブとなります。
  9. 摩擦定式化の場合:
    • 摩擦フラグIfric > 0(デフォルト)の場合は、従来の静的摩擦係数の定式化が使用されます:

      FTμFN ここで μ=Fric (クーロン摩擦)

    • 摩擦フラグIfric > 0の場合は、新しい摩擦モデルが導入されます。この場合、摩擦係数は次の関数によって設定されます:(2)
      μ=μ(p,V)
      ここで、
      p
      メインセグメントの垂直抗力の圧力
      V
      メインセグメントに相対するセカンダリ節点の接線速度
    現時点では、以下の定式化が利用可能です:
    • Ifric = 1(汎用の粘性摩擦則):
      (3)
      μ=Fric+C1.p+C2V+C3.pV+C4p2+C5V2
    • Ifric = 2(修正Darmstad則):(4)
      μ=Fric+C1e(C2V)p2+C3e(C4V)p+C5e(C6V)
    • Ifric = 3(Renard則):(5)
      μ=C1+(C3C1)VC5(2VC5)
      の、 V[0,C5] (6)
      μ=C3((C3C4)(VC5C6C5)2(32VC5C6C5))
      、右記の場合; V[C5,C6] (7)
      μ=C211C2C4+(VC6)2

      、右記の場合; VC6

      ここで、

      C1=μs

      C2=μd

      C3=μmax

      C4=μmin

      C5=Vcr1

      C6=Vcr2

    第1臨界速度 Vcr1=C5 は、0以外にする必要があります( C50 )。

    第1臨界速度 Vcr1=C5 は、第2臨界速度 Vcr2=C6(C5<C6) より小さくする必要があります。

    静止摩擦係数C1と動摩擦係数C2は、最大摩擦C3より小さくする必要があります( C1C3 かつ C2C3 )。

    最小摩擦係数C4は、静止摩擦係数C1および動摩擦係数C2より小さくする必要があります( C4C1 かつ C4C2 )。
    表 1. 摩擦定式化の単位
    Ifric Fric C1 C2 C3 C4 C5 C6
    1   [1Pa] [sm] [sPam] [1Pa2] [s2m2]  
    2   [1Pa2] [sm] [1Pa] [sm]   [sm]
    3           [ms] [ms]
  10. 摩擦フィルタリング
    Ifiltr0の場合は、接線力がフィルターを使用して以下のようにスムージングされます:(8)
    FTf=αFT(t)+(1α)FTf(tdt)
    ここで、
    FTf
    フィルタリングされた接線力。
    FT(t)
    フィルター前の時間 t における計算された接線力。
    FTf(tdt)
    前の時間ステップでフィルタリングされた接線力
    t
    現在のシミュレーション時間
    dt
    現在のシミュレーション時間ステップ
    α
    フィルタリング係数
    ここで、 α 係数は、以下のように計算されます:
    • Ifiltr =1の場合、 α=Xfreq 、単純な数値フィルターで、値の範囲は01です。
    • Ifiltr =2の場合、 α=2πXfreq 、標準の-3dBフィルターで、フィルター処理する時間ステップ数は Xfreq=dtT として定義されます。Tはフィルター処理周期です。
    • Ifiltr = 3の場合、 α=2πXfreqdt カット周波数Xfreqを使用する標準の-3dBフィルター
  11. 係数C1C6を使用して、新しい摩擦定式化の可変摩擦係数 μ を定義しています。
  12. 座標の変更は元に戻せないため、この操作は特に慎重に行う必要があります。これは、下記のような可能性があるためです:
    • インターフェースに複数のサーフェス層が定義されている場合、他の初期貫通が発生する
    • 節点がスプリング要素に属している場合に、初期エネルギーが発生する

    Inacti = 3または4は、小規模な初期貫通の場合にのみ推奨されます。

  13. 2次元解析では、接線接触力は、 Ptlim が次の式で定義されている際に制限されます:(9)
    FtPtlimS3

    ここで、 S は、セカンダリ節点に結合しているセグメントの外挿された長さです。