SPHメッシュの作成

SPHツールを使用して、0D粒子法流体力学(SPH)メッシュを定義します。

SPHは、液体や気体など、高い凝集力を有さず大変形を受けるボディの解析に使用されるテクニックです。

SPH Finite Point Method (SPH FPM)では、対象とするボディの指定した空間が、SPH 要素と呼ばれる粒子に離散化されます。これらの要素は、互いに幾何的な結合性をもたない節点状の粒子です。各SPH要素は、有効質量を有しています。ボディの空間を満たす全粒子の総質量は、満たす空間の質量と等しくなければなりません。

SPH要素は、高レベルの変形がある、または断片化されている各種材料を表現するために作成します。この例としては、海、川などの開放表面の液体、容器内の液体、砂利、団粒などがあります。

  1. 1Dリボンから SPHツールをクリックします。


    図 1.
  2. メッシュを定義します。
    オプション 動作
    Entities SPH要素で満たす空間を定義するエンティティを選択します。
    Use reference SPH要素は、ユーザーが指定した基準値内に収まる立方体の角 / フェイス中心に作成されます。

    立方体の作成開始位置とするポイントを指定するには、Use referenceチェックボックスを選択します。

    ベースポイントは、立方体作成の開始ポイントを定義し、メッシャーによって開始ポイントとして利用されます。

    Origin type
    Global
    参照ポイントとして(0, 0, 0)を使用します。
    Local
    参照ポイントの節点座標値を定義します。
    制約事項: Use referenceチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。
    Mesh orientation SPH要素の方向を定義する方法を選択します。
    Global
    デフォルトの全体座標系を使用して、生成したSPH要素を整列します。
    Local
    モデルの方向に対してローカルな参照座標系を定義します。作成されるSPH要素は、ユーザーが指定したローカル座標系に沿います。
    Pitch ピッチを入力します。
    注: この値が小さいほど、同じ空間にある要素の数は多くなりますが、粒子で構成する物質(気体、流体など)の質量や密度は変化しません。
    Method (Pitch) SPH粒子間の距離を指定する方法を選択します。
    Simple cubic
    8個のSPH粒子を一組として、それぞれの粒子を立方体の各コーナーに配置します。
    Face centered cubic
    14個の粒子を一組として、それぞれの粒子を立方体の各コーナーと各面の中心に配置します。
    これは、稠密六方(HCP)構造に類似しており、Radiossモデルでの使用に推奨されます。
    Mass definition 質量定義を入力します。
    Method (Mass definition) 液体の量を定義する方法を選択します。
    Material density
    密度を指定します(満たしている体積によって全質量が決まります)。
    Filled volume mass
    全質量を指定します(満たされたモデルの容積によって体積と密度が決まります)。
    Volume definition SPH要素の作成対象とする要素を選択します。
    All
    モデル内のすべてのボリュームでSPH要素を作成します。
    Enclosed
    指定した節点による閉じたボリューム内にSPH要素を作成し、残りのボリュームは無視します。
    Nth largest
    ボリュームのサイズに基づくラップサイズを定義することで、SPH要素の作成先とするボリュームを指定します。
    最大のボリュームを指定するには1を入力し、2番目に大きいボリュームを指定するには2を入力します。
    Exclude enclosed
    定義された節点群によって囲まれるボリュームを無視し、それ以外のボリュームにSPH要素を作成します。
    Partial fill 選択した空間を完全には満たしていない流体または気体をモデル化します。


    図 2.
    Value 満たすボリュームに対するパーセンテージまたは深さを指定します。ボリュームの計算は、ユーザー定義の平面に平行な、モデルの最下点に基づいて行われます。
    制約事項: Partial fillチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。
    Method (Partial fill) メソッドを選択します。
    Percent
    満たすボリュームのパーセンテージ。
    Depth
    満たすボリュームの深さ。
    制約事項: Partial fillチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。
    Direction 満たす方向を定義します。これは通常、満たした空間を実際に配置した状態における重力の方向と逆になります。
    制約事項: Partial fillチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。
    Reverse direction 粒子の質量が正しい軸に沿って満たされているが、方向が誤っている(例えば、燃料タンクの上から下に向うなどの)場合、Reverse directionを選択して修正します。
    制約事項: Partial fillチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。
    Wall offset 壁面からのSPH粒子オフセットを指定した距離に作成します。

    SPH要素の厚みは、入力により作成されます。SPH粒子間の距離はpitchに基づいて調整されます。

    External to volume 定義したボリュームの外部にSPH粒子を作成します。
    制約事項: Wall Offsetチェックボックスが選択されている場合にのみ有効です。選択したボリュームのサーフェスからオフセットした位置にSPH要素を配置できます。
    Wall clearance SPH粒子を指定された距離から作成します。
    ヒント: これは、ソルバー実行の開始時(最初の繰り返し計算)にSPH要素と壁面との接触を避け、計算をスムーズに実行する場合に効果的です。
  3. Meshをクリックします。

SPH要素の更新

エンティティエディターを使用し、目的のキーワードのSPH要素を更新します。

これには、ソルバーに割り当てられている節点やプロパティなどの修正も含まれます。

注: 要素タイプを変更するには、要素タイプの変更を参照してください。