Pulse Steering

Pulse steeringイベントは、直線上を一定速度で走行中に発生するハンドルへの突然のパルス入力に対して、車両がどのように応答するかをシミュレーションします。

これは、車両の動的応答を特徴付けるために使用され、その結果は通常、車両の共振周波数を特定するために周波数領域で解析されます。周波数解析のための十分なデータを得られるように、パルスイベント前後におよそ10秒間、車両がステアリング固定で走行されます。

イベントは、ISO +7401-2003 - Road vehicles - Lateral transient response test methods - Open-loop test methodsに準拠しています。パルスは、sine、step、またはramp関数として入力できます。Altair Driverを使用して車両を一定速度に維持します。またTireシステムとOutput Requestsシステムには、車両とタイヤの標準出力が組み込まれています。

Pulse steeringイベントは、Cars & Small Trucks、Heavy Trucks、Two-Wheeler vehicleライブラリによってサポートされています。結果をプロットするためのプロットテンプレートが用意されています。

パラメータ

パラメータ名 説明
Units Length(長さ)、Velocity(速度)、Acceleration(加速度)の単位。
  • Length (Model, m, ft)
  • Velocity (Model, m/s, km/h, mph).
  • Acceleration (Model, m/s2, g’s).
Velocity イベント時に車両が維持する速度。
Steer input * 印可するステアリング入力の大きさ(度)。
Lean input ** 要求傾斜入力の大きさ(度)。
Length of pulse ステアリングパルスの長さ(秒)。
Function Type イベントのステアリングパルスにおいて使用する関数タイプ。オプション:Sine、Step、およびRamp。
Steer input time * ステアパルスがその最大角に達するまでの絶対時間(秒)。
Lean input time ** 要求傾斜パルスがその最大角に達するまでの絶対時間(秒)。
End time イベントの秒単位の絶対終了時間。

*車/トラック、すなわち傾斜を考慮しないイベントにのみ適用されます。

**二輪車、すなわち傾斜を考慮するイベントにのみ適用できます。

コントローラー設定

Non-leaning events (Cars/Trucks)
LONGITUDINAL – TRACTION CONTROLLER SETTINGS
  • 追加のコントロールを使用します:トラクションコントロールの追加フィードバック制御を有効にします。コントローラのゲインは、このチェックボックスを切り替えることで編集できます。
    Kp フィードバックPIDコントローラーの比例ゲイン
    Ki フィードバックPIDコントローラーの積分ゲイン
    Kd フィードバックPIDコントローラーの微分ゲイン
LATERAL – STEERING CONTROLLER SETTINGS
  • Altair Driverは、車やトラックのような傾きを考慮しない乗り物にはFeedforward steeringコントローラーを使用します。以下の設定はユーザーが編集できます。
    Look ahead time 車両の先の状態を評価するフィードフォワードモデルの先読み時間
    Prediction step size Driver feedforwardステアリングモデルで使用する最大ステップサイズ
詳細についてはAltair Driverの数学的手法をご参照ください。
Leaning events (Two-wheelers)
LONGITUDINAL – TRACTION CONTROLLER SETTINGS
  • 追加のコントロールを使用します:トラクションコントロールの追加フィードバック制御を有効にします。コントローラのゲインは、このチェックボックスを切り替えることで編集できます。
    Kp フィードバックPIDコントローラーの比例ゲイン
    Ki フィードバックPIDコントローラーの積分ゲイン
    Kd フィードバックPIDコントローラーの微分ゲイン
LATERAL – STEERING CONTROLLER SETTINGS
  • Lean PIDおよびLateral Error PIDコントローラは、傾きを考慮する車両(オートバイやスクーターなど)にのみ適用されます。

    Steer control: ステアリングの制御モードを"MOTION"と"TORQUE"に切り替えできます

    Lean control
    Lean PIDでは入力として要求傾斜角をとり、フロントフォーク角(ステアリング角)を出力します。開ループのイベントでは、傾斜角要求は時間の関数になります。閉ループの経路追従イベントでは、横方向経路誤差を補正した経路曲率と車両速度に基づいて要求傾斜角を計算します。
    Kp 傾斜コントローラーの比例ゲイン
    Ki 傾斜コントローラーの積分ゲイン
    Kd 傾斜コントローラーの微分ゲイン
    Lateral error control
    Lateral Error PIDでは入力として横方向経路誤差の予測値をとり、要求傾斜角の増分を出力します。横方向誤差は、以降の先読み時間までの経路を基準とした車両の横方向位置を予測することによって計算します。Lateral Error PIDは、経路をたどる車両を傾けるように作用します。
    Look ahead time 車両の先の状態を評価するフィードフォワードモデルの先読み時間
    Kp 横方向誤差コントローラーの比例ゲイン
    Ki 横方向誤差コントローラーの積分ゲイン
    Kd 横方向誤差コントローラーの微分ゲイン
    詳細については傾斜可能な二輪車両と三輪車両傾斜可能な二輪車両と三輪車両のゲイン調整を参照してください。

信号設定

信号設定を使用して、Driverから出力するステアリング、スロットル、ブレーキ、ギア、およびクラッチの各信号の最小値、最大値、スムージング周波数、および初期値を設定します。

スムージング周波数を使用して、Driverによる信号変更の頻度を制御します。Driverからの閉ループ制御信号のみが平滑化されます。開ループ信号は平滑化されません。

Road Settings

Flat Event、Road File、Tiresの3つのオプションがあります。
Flat Road
路面ファイルを必要としない、平坦で滑らかな路面をイベントに使用します。
Flat Roadを選択すると、グラフィック設定オプションが以下のパラメータで利用可能になります:
  • View path centerline: イベント経路の可視化を有効にします。
    • このチェックボックスは、経路を使用しない開ループイベントでは無効になります。
  • View grid graphics: 路面のグリッドグラフィックの視覚化を有効にします。
    • View grid graphicsチェックボックスをオンにすると、Grid Settingsタブで路面グリッドのパラメータを編集できます。
    Grid length 路面の長さを指定します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Width 路面の幅を定義します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid X offset 路面グラフィックに対して長手方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Y offset 路面のグラフィックに対して横方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
Road File
Road Fileオプションでは、イベントで使用する路面ファイルを選択できます。このオプションを使用すると、モデル内のすべてのタイヤは、タイヤエンティティに含まれるファイルではなく、イベントで指定された路面ファイルを考慮します。
Tires
路面選択オプションとしてTireを使用すると、tireエンティティで指定された路面ファイルがイベントシミュレーションで使用されます。

自動出力レポート

Pulse steerイベントレポートの出力リストは以下の通りです:
Report Name Report Signals
Yaw Rate and Vehicle CG Displacement
  • Yaw Rate vs. Time
  • Vehicle CG Displacement vs. Time
Steering Input
  • Steering Wheel Angle vs. Time
  • Steering Wheel Torque vs. Time