Stability Analysis

Stability Analysisイベントを使用して、さまざまな路面を走行する二輪車モデルをシミュレートし、車両のウィーブモードとウォブルモードを評価できます。ユーザー定義の路面プロパティファイルで路面入力を指定します。

Stability Analysisイベントは、Two-Wheeler vehicleライブラリによってサポートされています。

図 1. Motorcycle Stability Modes

パラメータ

パラメータ名 説明
Units Length(長さ)、Velocity(速度)、Acceleration(加速度)の単位。
  • Length (Model, m, ft)
  • Velocity (Model, m/s, km/h, mph).
  • Acceleration (Model, m/s2, g’s).
Velocity 一定の要求速度入力。
Steer release time Pulse force解析モードとGeneral force解析モードで使用します。ステアコントロールを解除する時間。注:Linear analysisの場合は、シミュレーションの終了時にステアコントロールが解除され、線形解析が実行されます。
Disturbance start time Pulse force解析モードで使用します。Force inputsタブで設定したパルス状の力による外乱の開始時間。
End time シミュレーションの終了時間。
Path profile 車両が進行する経路を定義します。次の3つのオプションを選択できます:
  • Straight Line: 車両は直線に追従して走行します。
  • Road centerline:車両は路面のセンターラインに追従して走行します(シミュレーションを開始する前に、DDFファイルに路面のセンターラインを生成します)。
  • Curve: MotionView x-yカーブを経路入力として追加するオプション。
    • Units: カーブ入力の単位(model units, m, ft)。
    • Curve: MotionViewカーブの追加。
    • Interpolation: 補間方式の選択(AKIMA、CUBIC、LINEAR、QUINTIC)。
Analysis mode イベントの解析タイプを定義します。次の3つのオプションを選択できます:
  • Linear:シミュレーションの最後でステアコントロールが非アクティブになった後、線形解析を実行するオプション。
  • Pulse Force:Steer release timeで指定した時間にステアコントロールが非アクティブになった後、Disturbance start timeで指定した時間から適用した外乱を使用して、End timeで指定した時間まで過渡解析を実行するオプション。この外乱力の対象とするボディ、ポイント、参照フレームをForce Settings Connectivityタブで設定できます。力のタイプとしてForce along YまたはTorque about Zを選択できます。このような力は、フレームにかかる横力またはステアリングの回転ジョイントにかかるステアリングトルクによる外乱の典型例です。Amplitude、Length of pulse、Function typeを設定して、Pulse steerイベントのようなパルス状の力を記述できます。
  • General force:Steer release timeで指定した時間にステアコントロールが非アクティブになった後、End timeで指定した時間まで過渡解析を実行するオプション。この外乱力の対象とするボディ、ポイント、参照フレームをForce Settings Connectivityタブで設定できます。MotionSolve式を6つの方向で使用して、Translational PropertiesタブとRototation propertiesタブで外乱を設定できます。

コントローラー設定

LONGITUDINAL – TRACTION CONTROLLER SETTINGS
  • 追加のコントロールを使用します:トラクションコントロールの追加フィードバック制御を有効にします。コントローラのゲインは、このチェックボックスを切り替えることで編集できます。
    Kp フィードバックPIDコントローラーの比例ゲイン
    Ki フィードバックPIDコントローラーの積分ゲイ
    Kd フィードバックPIDコントローラーの微分ゲイン
LATERAL – STEERING CONTROLLER SETTINGS
  • Lean PIDおよびLateral Error PIDコントローラは、傾きを考慮する車両(オートバイやスクーターなど)にのみ適用されます。
    Steer control: ステアリングの制御モードを"MOTION"と"TORQUE"に切り替えできます
    Lean control
    Lean PIDでは入力として要求傾斜角をとり、フロントフォーク角(ステアリング角)を出力します。開ループのイベントでは、傾斜角要求は時間の関数になります。閉ループの経路追従イベントでは、横方向経路誤差を補正した経路曲率と車両速度に基づいて要求傾斜角を計算します。
    Kp 傾斜コントローラーの比例ゲイン
    Ki 傾斜コントローラーの積分ゲイン
    Kd 傾斜コントローラーの微分ゲイン
    Lateral error control
    Lateral Error PIDでは入力として横方向経路誤差の予測値をとり、要求傾斜角の増分を出力します。横方向誤差は、以降の先読み時間までの経路を基準とした車両の横方向位置を予測することによって計算します。Lateral Error PIDは、経路をたどる車両を傾けるように作用します。
    Look ahead time 車両の先の状態を評価するフィードフォワードモデルの先読み時間
    Kp 横方向誤差コントローラーの比例ゲイン
    Ki 横方向誤差コントローラーの積分ゲイン
    Kd 横方向誤差コントローラーの微分ゲイン

    詳細については傾斜可能な二輪車両と三輪車両傾斜可能な二輪車両と三輪車両のゲイン調整を参照してください。

信号設定

信号設定を使用して、Driverから出力するステアリング、スロットル、ブレーキ、ギア、およびクラッチの各信号の最小値、最大値、スムージング周波数、および初期値を設定します。

スムージング周波数を使用して、Driverによる信号変更の頻度を制御します。Driverからの閉ループ制御信号のみが平滑化されます。開ループ信号は平滑化されません。

Road Settings

Flat Event、Road File、Tiresの3つのオプションがあります。
Flat Road
路面ファイルを必要としない、平坦で滑らかな路面をイベントに使用します。
Flat Roadを選択すると、グラフィック設定オプションが以下のパラメータで利用可能になります:
  • View path centerline: イベント経路の可視化を有効にします。
    • このチェックボックスは、経路を使用しない開ループイベントでは無効になります。
  • View grid graphics: 路面のグリッドグラフィックの視覚化を有効にします。
    • View grid graphicsチェックボックスをオンにすると、Grid Settingsタブで路面グリッドのパラメータを編集できます。
    Grid length 路面の長さを指定します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Width 路面の幅を定義します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid X offset 路面グラフィックに対して長手方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Y offset 路面のグラフィックに対して横方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
Road File
Road Fileオプションでは、イベントで使用する路面ファイルを選択できます。このオプションを使用すると、モデル内のすべてのタイヤは、タイヤエンティティに含まれるファイルではなく、イベントで指定された路面ファイルを考慮します。
Tires
路面選択オプションとしてTireを使用すると、tireエンティティで指定された路面ファイルがイベントシミュレーションで使用されます。

自動出力レポート

Double lane changeイベントレポートの出力リストは以下の通りです:
Report Name Report Signals
解析モード = 線形
  • イベントのアニメーション
  • モデルに関してMotionSolveから報告される固有値(.eigファイル)
解析モード = パルスの適用 / 外乱の適用
  • イベントのアニメーション
  • 適用されたパルスまたは外乱
    • 力の大きさ
    • トルクの大きさ
  • ハンドル角
    • 実舵角対時間
    • 実舵角のFFTの大きさ
  • 車両変位
    • ロール角対時間
    • ロール角のFFTの大きさ
    • ヨー角対時間
    • ヨー角のFFTの大きさ