Road Course Drive

Road Course Driveイベントを使用して、必要な路面プロファイル上でフルビークルモデルのシミュレーションを実行できます。指定した路面上での車両の挙動を検証するために、さまざまな経路と速度プロファイルを指定できます。このイベントは、耐久性と疲労の分野および乗り心地の分野で車両性能を検討する手段にもなります。

このイベントの路面入力は、路面プロパティファイルから得られます。このイベントでは、シミュレーションに使用する路面の種類を柔軟に選択できます。目的の要件に合致する適切な形式で路面プロパティファイルを作成できますが、フルビークルモデルのタイヤモデルと互換性があることが必要です。

Road Course Driveイベントは、Cars & Small Trucks、Heavy Trucks、Two-Wheeler vehicleライブラリによってサポートされています。

パラメータ

パラメータ名 説明
Path profile イベントでAltair Driverが使用する経路を定義します。次の3つのオプションを選択できます:
  • Straight Line: 車両は直線に追従して走行します。
  • Road centerline: 車両は指定された路面のセンターラインに追従して走行します(シミュレーションを開始する前に、DDFファイルに路面のセンターラインを生成します)。
  • Curve: 経路入力としてMV x-yカーブを追加するオプション。
    • Units – カーブ入力の単位(Model、m、ft)
    • Curve - MVカーブの追加
    • Interpolation - 補間方式の選択(AKIMA、CUBIC、LINEAR、QUINTIC)
Velocity profile イベントでAltair Driverが使用する速度プロファイルを定義します。次の2つのオプションを選択できます:
  • Constant: 車両は入力された値の一定速度に保たれます。
  • Curve: 速度入力としてMV x-yカーブを追加するオプション。
    • Units – カーブ入力の単位(Model、m/s、km/h、mph)
    • Curve - MVカーブの追加
    • Interpolation - 補間方式の選択(AKIMA、CUBIC、LINEAR、QUINTIC)
    • Independent variable – x値信号タイプ(Time、Distance)
End time [s] シミュレーションの終了時間。

コントローラー設定

Non-leaning events (Cars/Trucks)
LONGITUDINAL – TRACTION CONTROLLER SETTINGS
  • 追加のコントロールを使用します:トラクションコントロールの追加フィードバック制御を有効にします。コントローラのゲインは、このチェックボックスを切り替えることで編集できます。
    Kp フィードバックPIDコントローラーの比例ゲイン
    Ki フィードバックPIDコントローラーの積分ゲイン
    Kd フィードバックPIDコントローラーの微分ゲイン
LATERAL – STEERING CONTROLLER SETTINGS
  • Altair Driverは、車やトラックのような傾きを考慮しない乗り物にはFeedforward steeringコントローラーを使用します。以下の設定はユーザーが編集できます。
    Look ahead time 車両の先の状態を評価するフィードフォワードモデルの先読み時間
    Prediction step size Driver feedforwardステアリングモデルで使用する最大ステップサイズ
詳細についてはAltair Driverの数学的手法をご参照ください。
Leaning events (Two-wheelers)
LONGITUDINAL – TRACTION CONTROLLER SETTINGS
  • 追加のコントロールを使用します:トラクションコントロールの追加フィードバック制御を有効にします。コントローラのゲインは、このチェックボックスを切り替えることで編集できます。
    Kp フィードバックPIDコントローラーの比例ゲイン
    Ki フィードバックPIDコントローラーの積分ゲイン
    Kd フィードバックPIDコントローラーの微分ゲイン
LATERAL – STEERING CONTROLLER SETTINGS
  • Lean PIDおよびLateral Error PIDコントローラは、傾きを考慮する車両(オートバイやスクーターなど)にのみ適用されます。

    Steer control: ステアリングの制御モードを"MOTION"と"TORQUE"に切り替えできます

    Lean control
    Lean PIDでは入力として要求傾斜角をとり、フロントフォーク角(ステアリング角)を出力します。開ループのイベントでは、傾斜角要求は時間の関数になります。閉ループの経路追従イベントでは、横方向経路誤差を補正した経路曲率と車両速度に基づいて要求傾斜角を計算します。
    Kp 傾斜コントローラーの比例ゲイン
    Ki 傾斜コントローラーの積分ゲイン
    Kd 傾斜コントローラーの微分ゲイン
    Lateral error control
    Lateral Error PIDでは入力として横方向経路誤差の予測値をとり、要求傾斜角の増分を出力します。横方向誤差は、以降の先読み時間までの経路を基準とした車両の横方向位置を予測することによって計算します。Lateral Error PIDは、経路をたどる車両を傾けるように作用します。
    Look ahead time 車両の先の状態を評価するフィードフォワードモデルの先読み時間
    Kp 横方向誤差コントローラーの比例ゲイン
    Ki 横方向誤差コントローラーの積分ゲイン
    Kd 横方向誤差コントローラーの微分ゲイン
    詳細については傾斜可能な二輪車両と三輪車両傾斜可能な二輪車両と三輪車両のゲイン調整を参照してください。

信号設定

信号設定を使用して、Driverから出力するステアリング、スロットル、ブレーキ、ギア、およびクラッチの各信号の最小値、最大値、スムージング周波数、および初期値を設定します。

スムージング周波数を使用して、Driverによる信号変更の頻度を制御します。Driverからの閉ループ制御信号のみが平滑化されます。開ループ信号は平滑化されません。

Road Settings

Flat Event、Road File、Tiresの3つのオプションがあります。
Flat Road
路面ファイルを必要としない、平坦で滑らかな路面をイベントに使用します。
Flat Roadを選択すると、グラフィック設定オプションが以下のパラメータで利用可能になります:
  • View path centerline: イベント経路の可視化を有効にします。
    • このチェックボックスは、経路を使用しない開ループイベントでは無効になります。
  • View grid graphics: 路面のグリッドグラフィックの視覚化を有効にします。
    • View grid graphicsチェックボックスをオンにすると、Grid Settingsタブで路面グリッドのパラメータを編集できます。
    Grid length 路面の長さを指定します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Width 路面の幅を定義します。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid X offset 路面グラフィックに対して長手方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
    Grid Y offset 路面のグラフィックに対して横方向の距離オフセットを与えます。モデルの単位に正の値を入力します。
Road File
Road Fileオプションでは、イベントで使用する路面ファイルを選択できます。このオプションを使用すると、モデル内のすべてのタイヤは、タイヤエンティティに含まれるファイルではなく、イベントで指定された路面ファイルを考慮します。
Tires
路面選択オプションとしてTireを使用すると、tireエンティティで指定された路面ファイルがイベントシミュレーションで使用されます。

トラブルシューティングのヒント

  • 路面プロパティファイルには、車両で使用するタイヤプロバティファイルとの互換性が必要です。
  • 距離を速度プロファイルの独立変数に設定すると、経路プロファイルで指定した単位が使用されます。
  • 速度プロファイルの定義に使用するMotionViewのカーブエンティティでは、Units欄で指定した単位を使用している必要があります。
  • ddfファイルの生成でRoad centerlineオプションが機能するのは、指定した路面プロパティファイルがRoad Toolsの機能で使用できる場合のみです。