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/FAIL/LAD_DAMA

ブロックフォーマットキーワード 剥離(層間の破壊)のためのLadeveze破壊モデルを記述します。

この破壊モデルは直交異方性ソリッドと厚肉シェルに対して使用可能で、Plyxfemと共にシェルプロパティ/PROP/TYPE17で積層間材料破壊モデルとしても使用できます。この破壊モデルは/MAT/LAW12 (3D_COMP)/MAT/LAW14 (COMPSO)および/MAT/LAW25 (COMPSH)および/MAT/LAW1 (ELAST)Plyxfemと使用される場合のみ)と適合します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/FAIL/LAD_DAMA/mat_ID/unit_ID
K1 K2 K3 γ1 γ2
Y0 Yc k a τmax
Ifail_sh Ifail_so                
オプションの行
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fail_ID                  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
K1 方向1の層間剛性。

デフォルト = 1030(実数)

[Pam]
K2 方向2の層間剛性。

デフォルト = 1030(実数)

[Pam]
K3 方向3の層間剛性。

デフォルト = 1030(実数)

[Pam]
γ1 剥離モードIとモードIIの間の連成係数。

デフォルト = 0(実数)

 
γ2 剥離モードIとモードIIIの間の連成係数。

デフォルト = 0(実数)

 
Y0 剥離を開始するための降伏エネルギー損傷。

デフォルト = 1030(実数)

 
Yc 完全な剥離のための臨界エネルギー損傷パラメータ。

デフォルト = 2Y0 (実数)

 
k 亀裂伝播の速度時間定数。

デフォルト = 0(実数)

[ms]
a 亀裂伝播の速度倍率。

デフォルト = 1030(実数)

 
τmax 動的緩和。 3

デフォルト = 1030(実数)

[s]
Ifail_sh シェル破壊フラグ。
= 1(デフォルト)
損傷基準に1つの層が達するとシェルが削除されます。
= 2
損傷基準にシェルの全層が達するとシェルが削除されます。

(整数)

 
Ifail_so ソリッド破壊フラグ。
= 1(デフォルト)
損傷基準に1つの積分点が達するとソリッドが削除されます。
= 3
損傷がソリッドの1つの積分点( σ33=σ23=σ13=0 )に達すると、面外応力が0に設定されます。

(整数)

 
fail_ID 破壊基準識別子2

(整数、最大10桁)

 

例(複合材)

コメント

  1. 剥離用のLadeveze破壊損傷モデル:(1)
    Yd3=EDd3|σ=cst=12σ332K3(1d3)2ModeI
    (2)
    Yd1=EDd1|σ=cst=12σ312K1(1d1)2ModeII
    (3)
    Yd2=EDd2|σ=cst=12σ322K2(1d2)2ModeIII

    fail_lad-dama_delam1A
    図 1.
    2

    2次元ソリッド要素の場合は、モードIIとモードIIIのみを使用可能です。

    ここで、 di はその破壊モードに伴う内部損傷パラメータです。

    ダメージ進展則は等価なダメージエネルギー解放比によってコントロールされます。

    Y=Yd3+γ1Yd1+γ2Yd2 ここで、 Ydi|t=supYdi|τt

    損傷パラメータの進展は連成係数 γ1 γ2 に強く連成します。これらの2つのパラメータは剥離試験から来ます。

    現在の破壊モデルについて、 d1=d2=d3=d であるとみなします。

    損傷値dは特定の速度で増大します:(4)
    ˙d=ka[1exp(aw(Y)d)]

    d<1 の場合。

    それ以外の場合は、 d=1

    このとき、

    a は、延性破壊の尺度です。値が低いほど、破壊の延性が強くなります。

    ak は、最小破壊期間です。 Y0 Yc の間のエネルギーの期間は少なくとも ak に等しくなければなりません。(5)
    x={xifx>00ifx<0
    関数 w(Y) は次のように計算されます:(6)
    w(Y)=YY0YcY0

    損傷パラメータ d1.0 ,の場合は、応力 σ33 σ13 および σ23 は次の関数に従って減少します:

    緩和のテクニックが応力を徐々に減少させるために使用されます:(7)
    σ(t)=f(t)σd(tr)
    ここで、(8)
    f(t)=exp(ttrτmax) and ttr
    ここで、
    t
    時間
    tr
    損傷基準が推定される場合における緩和の開始時間
    τmax
    動的緩和の時間
    σd(tr)
    損傷開始時の応力
  2. fail_IDは、/STATE/BRICK/FAILおよび/INIBRI/FAILで使用されます。デフォルト値はありません。この行が空白の場合、/INIBRI/FAIL内の破壊モデル変数のために出力される値はありません(/STATE/BRICK/FAILオプションで.staファイルに書き込まれます)。
  3. 破壊基準に達した後、 τmax の値は破断要素での応力が徐々に減少して0になるまでの期間を決定します。応力が破壊の開始時における応力値の1%に達すると、要素は削除されます。これは、要素が突然削除され、隣接要素で破断の“連鎖反応“が起こることによる不安定性を回避するために必要となります。破壊基準に達した場合でも、 τmax=1.0E30 のデフォルト値であれば要素は削除されません。したがって、 τmax をシミュレーションの時間ステップの10倍大きく定義することが推奨されます。
1
O. Allix, P. Ladevèze, “Interlaminar interface modeling for the prediction of delamination”, Composite structure 22 (1992) 235-242
2
L.Gornet, “Finite Element Damage Prediction of Composite Structures"