/FAIL/MAXSTRAIN
ブロックフォーマットキーワード 複合材料の破壊をモデル化するための最大ひずみ破壊基準。この基準はソリッドとシェルに使用できます。
フォーマット
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/FAIL/MAXSTRAIN/mat_ID/unit_ID | |||||||||
εMAX1 | εMAX2 | γMAX12 | Ifail_sh | Ifail_so | |||||
τmax | Fcut |
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fail_ID |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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mat_ID | 材料識別子 (整数、最大10桁) |
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unit_ID | (オプション)単位の識別子。 (整数、最大10桁) |
|
εMAX1 | 縦方向限界ひずみ。 デフォルト = 1020(実数) |
|
εMAX2 | 横方向限界ひずみ。 デフォルト = 1020(実数) |
|
γMAX12 | せん断限界工学ひずみ。 デフォルト = 1020(実数) |
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Ifail_sh | シェル破壊モデルフラグ。
(整数) |
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Ifail_so | ソリッド破壊モデルフラグ。
(整数) |
|
τmax | 動的緩和。 5 デフォルト = 1020(実数) |
[s] |
Fcut | 応力テンソルのフィルタリング周波数。 デフォルト = 0.0(実数) |
[1s] |
fail_ID | (オプション)破壊基準識別子。4 (整数、最大10桁) |
▸例
コメント
- この破壊モデルはシェルおよびソリッドで使用できます。このモデルでは、繊維が方向1(m1とも表記されます)の向きで、マトリックスが横方向2(およびソリッドの場合は方向3)の向きの複合材プライが考慮されます。各方向では、引張と圧縮の両方に有効な限界強度値が考慮されます:図 1.ここで、 εMAX1 、 εMAX2 、 γMAX12 はそれぞれ、方向1の限界ひずみ、方向2の限界ひずみ、せん断での限界工学ひずみです。注: γ12=2ε12
ここで、 ε12 はせん断ひずみです。
- シェルの破壊基準は下記のように記述されます:
(1) F=max(|ε1|εMAX1;|ε2|εMAX2;|γ12|γMAX12)≤1ソリッドの場合は、基準は次のようになります:(2) F=max(|ε1|εMAX1;|ε2|εMAX2;|ε3|εMAX2;|γ12|γMAX12;|γ31|γMAX12)≤1基準に達したと見なされるのは、 F=1 の場合です。損傷変数は基準自体に対応しています( D=F )。
- 基準に達すると(
D=F=1
)、次の2つの挙動を設定できます:
- Ifail_sh = 0またはIfail_so = 0の場合、応力軟化は発生せず、要素は一切削除されません。この場合、破壊基準は損傷変数の出力を使用して純粋に視覚的です。
- Ifail_sh ≠ 0またはIfail_so ≠ 0の場合、応力緩和が生成されて、要素の耐荷力が低減されます。
(3) σ(t)=f(t)⋅σd(tr)ここで、 f(t)=exp(−t−trτmax) and t≥tr
ここで、- t
- 時間。
- tr
- 損傷基準が推定される場合における緩和の開始時間。
- τmax
- 動的緩和の時間。
- σd(tr)
- 基準に達したときの応力テンソル。
応力が破壊の開始時における応力値の1%に達すると、要素は削除されます。これは、要素が突然削除され、隣接要素で破壊の“連鎖反応”が起こることによる不安定性を回避するために必要となります。破壊基準に達した場合でも、デフォルト値 τmax=1.0E20 では、要素は削除されません。したがって、 τmax の値をシミュレーション時間ステップの10倍の大きさに定義することが推奨されます。
- 要素を削除する際の“連鎖反応”を避けるために、応力テンソルのフィルタリング周波数 Fcutを定義することもできます。したがって、MAXSTRAIN基準の計算に使用される応力テンソルは、まず以下の式に従ってフィルタリングされます:
(4) εfiltn+1=αεn+1+(1−α)εfiltnここで、 α=2π⋅Fcut⋅Δt2π⋅Fcut⋅Δt+1
ここで、 Δt は現在の時間ステップです。
フィルタリング周波数が定義されていない場合(Fcut = 0.0)、フィルタリング効果は無効になります。
- fail_IDは、/STATE/BRICK/FAILおよび/INIBRI/FAILで使用されます。デフォルト値はありません。この行が空白の場合、/INIBRI/FAIL内の破壊モデル変数のために出力される値はありません(/STATE/BRICK/FAILオプションで.staファイルに書き込まれます)。