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/FAIL/PUCK

ブロックフォーマットキーワード Puck破壊モデルを記述します。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/FAIL/PUCK/mat_ID/unit_ID
σt1 σt2 ˉσ12 σc1 σc2
p+12 p12 p22 τmax Ifail_sh Ifail_so
Fcut          
オプションの行
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fail_ID                  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
σt1 縦方向引張り強度。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
σt2 横方向引張り強度。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
ˉσ12 せん断強度。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
σc1 縦方向圧縮強度。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
σc2 横方向圧縮強度。

デフォルト = 1030(実数)

[Pa]
p+12 破壊エンベロープ係数12 (+)。

デフォルト = 0(実数)

 
p12 破壊エンベロープ係数12 (-)。

デフォルト = 0(実数)

 
p22 破壊エンベロープ係数22 (-)。

デフォルト = 0(実数)

 
τmax 動的緩和。 5

デフォルト = 1030(実数)

[s]
Ifail_sh シェル破壊モデルフラグ。
= 1(デフォルト)
損傷が1つの層に達するとシェルが削除されます。
= 2
損傷がシェルの全層に達するとシェルが削除されます。

(整数)

 
Ifail_so ソリッド破壊モデルフラグ。
= 1(デフォルト)
損傷がソリッドの1つの積分点に達すると、ソリッドが削除されます。

(整数)

 
Fcut 応力テンソルのフィルタリング周波数。

デフォルト = 0.0(実数)

[1s]
fail_ID 破壊基準識別子 4

(整数、最大10桁)

 

例(複合材)

強度( σt1 , σt2 , σc1 , σc2 , ˉσ12 )は、以下の試験から得られます。m1は繊維方向です。

fail_puck_example
#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat and failure
#              MUNIT               LUNIT               TUNIT
                   g                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  1. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/COMPSH/1/1
composite example
#              RHO_I
               .0015
#                E11                 E22                NU12     Iform                           E33
              114000                9650                .025         0                             0
#                G12                 G23                 G31              EPS_f1              EPS_f2
                6000                6000                6000                   0                   0
#             EPS_t1              EPS_m1              EPS_t2              EPS_m2                dmax
                   0                   0                   0                   0                   0
#              Wpmax               Wpref      Ioff                         ratio
                   0                   0         4                             0
#                  b                   n                fmax
                   0                   0                   0
#            sig_1yt             sig_2yt             sig_1yc             sig_2yc               alpha
                1E30                1E30                1E30                1E30                   0
#           sig_12yc            sig_12yt                c_12          Eps_rate_0       ICC
                1E30                1E30                   0                   0         0
#          GAMMA_ini           GAMMA_max               d3max
                   0                   0                   0
#  Fsmooth                Fcut
         0                   0
/FAIL/PUCK/1/1
#           Sigma1_T            Sigma2_T            Sigma_12            Sigma1_C            Sigma2_C
                1720                55.2                 103                 765                 503
#               P+12                P-12                P-22             Tau_max  Ifail_sh  Ifail_so
                   0                   0                   0                .005         1         0
#               Fcut
                 0.1
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. この破壊モデルはシェルおよびソリッドで使用できます。
  2. 破壊基準は下記のように記述されます。
    • 繊維部破壊:
      引張繊維破壊モード: σ11>0 (1)
      ef=σ11σt1
      圧縮繊維破壊モード: σ11<0 (2)
      ef=|σ11|σc1
    • 繊維間破壊:
      σ22>0 の場合はモードA:

      fail_puck_modeA
      図 1.
      (3)
      ef=1ˉσ12[(ˉσ12σt2p+12)2σ222+σ122+p+12σ22]
      σ22<0 の場合はモードC:

      fail_puck_modeC
      図 2.
      (4)
      ef=[(σ122(1+p22)ˉσ12)2+(σ22σc2)2](σc2σ22)
      モードB

      fail_puck_modeB
      図 3.

    ef=1ˉσ12(σ212+(p12σ22)2+p12σ22)

    損傷パラメータが ef1.0 の場合、数値の不安定性を回避するため、指数関数を使用して応力を減少させます。緩和手法は、応力を徐々に減少させて使用します:(5)
    σ(t)=f(t)σd(tr)
    ここで、(6)
    f(t)=exp(ttrτmax)

    および ttr

    ここで、
    t
    時間
    tr
    損傷基準が推定される場合における緩和の開始時間
    τmax
    動的緩和の時間
    σd(tr)
    損傷開始時の応力
  3. 損傷値は、 0D1 です。破壊の状態は次のとおりです。
    • 次の場合、破壊なし: 0D<1
    • 次の場合、破壊: D=1

    ここで、 D=Max(ef(tensile),ef(compression),ef(ModeA),ef(ModeB),ef(ModeC)) 。この損傷値は/ANIM/BRICK/DAMAまたは/ANIM/SHELL/DAMAで示されます。

  4. fail_IDは、/STATE/BRICK/FAILおよび/INIBRI/FAILで使用されます。デフォルト値はありません。この行が空白の場合、/INIBRI/FAIL内の破壊モデル変数のために出力される値はありません(/STATE/BRICK/FAILオプションで.staファイルに書き込まれます)。
  5. 破壊基準に達した後、 τmax の値は破断要素での応力が徐々に減少して0になるまでの期間を決定します。応力が破壊の開始時における応力値の1%に達すると、要素は削除されます。これは、要素が突然削除され、隣接要素で破断の“連鎖反応“が起こることによる不安定性を回避するために必要となります。破壊基準に達した場合でも、 τmax=1.0E30 のデフォルト値であれば要素は削除されません。したがって、 τmax をシミュレーションの時間ステップの10倍大きく定義することが推奨されます。
  6. 要素を削除する際の"連鎖反応"を避けるために、応力テンソルのフィルタリング周波数 Fcutを定義することもできます。したがって、PUCK基準の計算に使用される応力テンソルは、まず以下の式に従ってフィルタリングされます:(7)
    σfiltn+1=ασn+1+(1α)σfiltn
    ここで、(8)
    α=2πFcutΔt2πFcutΔt+1

    ここで、 Δt は現在の時間ステップです。

    フィルタリング周波数が定義されていない場合(Fcut = 0.0)、フィルタリング効果は無効になります。