/MAT/LAW57 (BARLAT3)
ブロックフォーマットキーワード この材料則は、ユーザー定義関数で塑性硬化を記述します。これはシェル要素のみで使用できます。
これは、アルミニウム合金等の異方性材料の成形加工のモデル化に使用される弾塑性直交異方性材料則です。この材料則は、プロパティセットタイプ/PROP/TYPE9(SH_ORTH)または/PROP/TYPE10(SH_COMP)と共に使用する必要があります。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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/MAT/LAW57/mat_ID/unit_IDまたは/MAT/BARLAT3/mat_ID/unit_ID | |||||||||
mat_title | |||||||||
ρi | |||||||||
E | ν | ||||||||
fct_IDE | Einf | CE | |||||||
r00 | r45 | r90 | Chard | m | |||||
εmaxp | εt | εm | Fcut | Fsmooth |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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fct_IDi | Fscalei | ˙εi |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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mat_ID | 材料識別子 (整数、最大10桁) |
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unit_ID | 単位識別子。 (整数、最大10桁) |
|
mat_title | 材料のタイトル (文字、最大100文字) |
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ρi | 初期密度 (実数) |
[kgm3] |
E | ヤング率 (実数) |
[Pa] |
ν | ポアソン比 (実数) |
|
fct_IDE | ヤング率のスケールファクターの関数ID(ヤング率が塑性ひずみの関数である場合) 11 デフォルト = 0: この場合はヤング率の進展はEinfおよびCEに応じて決まります。 (整数) |
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Einf | 無限の塑性ひずみに対する飽和ヤング率 (実数) |
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CE | ヤング率進展のパラメータ (実数) |
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r00 | 0°のランクフォードパラメータ デフォルト = 1.0(実数) |
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r45 | 45°のランクフォードパラメータ デフォルト = 1.0(実数) |
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r90 | 90°のランクフォードパラメータ デフォルト = 1.0(実数) |
|
Chard | 硬化係数。
(実数) |
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m | Barlatパラメータ
(実数) |
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εmaxp | 破壊塑性ひずみ。 デフォルト = 1.0 x 1030(実数) |
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εt | 応力が減少し始める引張破壊ひずみ。 デフォルト = 1.0 x 1030(実数) |
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εm | 要素内の応力が0に設定される最大引張破壊ひずみ。 デフォルト = 2.0 x 1030(実数) |
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Fcut | ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。 デフォルト = 10000 Hz (実数) |
[Hz] |
Fsmooth | ひずみ速度スムージングオプションフラグ。
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|
fct_IDi | 塑性曲線のi番目の関数の識別子 (整数) |
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Fscalei | i番目の関数のスケールファクター デフォルトは1.0に設定されます(実数) |
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˙εi | i番目の関数のひずみ速度 (実数) |
[1s] |
▸例(鋼材)
コメント
- 平面応力の異方性降伏基準Fは、下記によって定義されます:
(1) F=a|K1+K2|m+a|K1−K2|m+c|2K2|m−2σym=0ここで、
σy は降伏応力
K1=σxx+hσyy2 および K2=√(σxx−hσyy2)2+p2σ2xy
- ランクフォードパラメータの角度は、直交異方性方向1に対して定義されます。材料定数a、c、h、pは、次の3つのLankfordパラメータから取得されます:
(2) a=2−2√r001+r00√r901+r90c=2−ah=√r001+r00√1+r90r90材料定数pは次の式から算出できます:(3) 2m⋅σym(∂F∂σxx+∂F∂σyy)σ45−1−r45=0 - 最初の(静的)関数の最後のポイントの応力が0に等しい場合、 εmaxp のデフォルト値は εp の対応値に設定されます。
- εp (塑性ひずみ)が1つの積分点で εmaxp に到達すると、対応するシェル要素が削除されます。
- 最大主ひずみが
ε1>εt
の場合、応力は次の関係式に従って減少します:
(4) σ=σ(εm−ε1εm−εt) - ε1>εm の場合、応力は0に減少します(ただし、要素は削除されません)。
- 曲線の最大数は10です。
- ˙ε≤˙εn の場合、降伏はfnとfn-1の間で補間されます。
- ˙ε≤˙ε1 の場合、関数f1が使用されます。
-
˙εmax
を超えた場合、降伏は外挿されます。図 1.
- ヤング率の進展:
- fct_IDE > 0であれば、この曲線は等価な塑性ひずみによるヤング率の進展に対するスケールファクターを定義します。これは、関数
f(ˉεp)
によって以下のようにヤング率がスケーリングされることを意味します:
(5) E(t)=E⋅f(ˉεp)このスケールファクターの初期値は1で、この値から減少していきます。
- fct_IDE = 0の場合、ヤング率は次のように計算されます:
(6) E(t)=E−(E−Einf)[1−exp(−CEˉεp)]ここで、EとEinfはそれぞれ初期と漸近するヤング率の値で、 ˉεp は累積の相当塑性ひずみです。
注: fct_IDE = 0でCE = 0の場合、ヤング率Eが一定になります。
- fct_IDE > 0であれば、この曲線は等価な塑性ひずみによるヤング率の進展に対するスケールファクターを定義します。これは、関数
f(ˉεp)
によって以下のようにヤング率がスケーリングされることを意味します:
- パラメータFsmoothとFcutは、ひずみ速度のフィルタリングを可能にします。3つのケースが設定できます:
- Fsmooth = 0 および Fcut = 0.0の場合、ひずみ速度フィルタリングはオフ。
- Fsmooth = 1 および Fcut = 0.0の場合、ひずみ速度フィルタリングは、デフォルトのカットオフ周波数10 kHzを使用。
- Fcut ≠ 0, Fsmoothの場合、自動的に1に設定され、ひずみ速度フィルタリングは、指定されたカットオフ周波数を使用。