/NONLOCAL/MAT
ブロックフォーマットキーワード 弾塑性破壊基準(塑性ひずみに依存するものなど)およびシェル板厚変化の非局所正則化。
フォーマット
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/NONLOCAL/MAT/mat_ID/unit_ID | |||||||||
Rlen | LeMAX |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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mat_ID | 材料識別子 (整数、最大10桁) |
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unit_ID | 単位の識別子。 (整数、最大10桁) |
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Rlen | 非局所内部長さ。 (実数) |
[m] |
LeMAX | メッシュ収束基準となる要素長さ (実数) |
[m] |
コメント
- 破壊や板厚変化(シェルの場合)など不安定な状態の場合は、非局所正則化を使用してメッシュに依存しない結果(サイズ、向き)を取得します。メッシュに依存しない結果は、ユーザーが設定した最大サイズ以下のメッシュサイズ
Le
のメッシュ収束を意味します(
Le≤LMAXe
)。その場合、この最大メッシュサイズ
LeMAX
は、結果がメッシュ収束である場合に使用する最大メッシュサイズです。 非局所定式化は、弾塑性材料則にのみ適合します。アクティブ化されると、塑性ひずみやシェルの板厚変化に基づく関連付けられた破壊基準の計算は、メッシュ全体で計算された正則化された節点の“非局所”塑性ひずみに依存します。節点における非局所塑性ひずみ( εnlp )は、その独自の勾配を考慮して計算され、これに対応する局所塑性ひずみ εp は、ガウス点で以下の一連の方程式に従って計算されます:
(1) R2lenΔεnlp−γ˙εnlp+(εp−εnlp)=ζ¨εnlp →∇εnlp⋅→n=0 onon ΩΓパラメータ γ および ζ は自動的に設定されます。ユーザーは、パラメータ Rlen (または LeMAX 、コメント2)を設定する必要があります。これによって、非局所変数計算における影響半径に相当する非局所“内部長さ”が決まります。これにより、非局所正則化幅 Lr=f(Rlen) のサイズが決定されます(図 1)。図 1. 非局所正則化原理の図その後、破壊基準損傷変数は、非局所塑性ひずみを使用して計算されます。(2) D=∞∑t=0Δεnlpεfここで、 εf は、破壊基準定式化に依存する破壊時の塑性ひずみです。
- 非局所長さパラメータ
Rlen
を設定する場合は、以下を選択できます:
- このパラメータを直接制御する必要がある場合は、入力カードに Rlen の値を直接入力します。この場合、パラメータ LeMAX は無視する必要があります。
- 結果がメッシュ収束となる最大メッシュサイズ
LeMAX
を入力します。非局所正則化は、すべてのメッシュサイズ
Le
(
Le≤LMAXe
など)に対して有効になります。この場合、
LeMAX
の値に従って
Rlen
の自動設定が行われ、
Rlen
の入力値は無視されます。
例えば、5mmというメッシュサイズについて、メッシュ非依存の収束した結果を得るには、 LMAXe=5 mmです。この場合、 Le≤5 mmでは、結果は収束し、メッシュのサイズと向きに依存しません。
- 非局所正則化をシェル要素に使用すると、板厚変化の計算で正則化が別途実行されることにより、局所化に伴う新たな問題の発生を回避できます。一般的な局所ケースでは(図 2)、シェル要素間の厚みの適合性を確保できません。その理由は、z方向の運動方程式が欠落しており、厚みの変化がガウス点で局所的に計算されることにあります。“板厚の範囲”でのひずみ増分に非局所塑性ひずみを導入することで、この適合性を回復できます(図 3)。
(3) Δεzz=−ν1−ν (Δεxx −Δλnl nxx+Δεyy −Δλnl nyy)+ Δλnl nzzここで、 Δλnl=f(εnlp) は非局所塑性乗数です。図 2. 横ひずみの不適合性(局所)図 3. 横ひずみの適合性(非局所)注: この最後の点は、特定したパラメータをソリッドとシェルに使用できることを意味します。両者は、同じ応力3軸性 −23≤η≤23 の範囲内で結果がまったく同じになるからです。 - シェルの板厚変化の正則化に適合している材料則のリスト:
- /MAT/LAW2 (PLAS_JOHNS)
- /MAT/LAW22 (DAMA)
- /MAT/LAW27 (PLAS_BRIT)
- /MAT/LAW32 (HILL)
- /MAT/LAW36 (PLAS_TAB)
- /MAT/LAW43 (HILL_TAB)
- /MAT/LAW44 (COWPER)
- /MAT/LAW48 (ZHAO)
- /MAT/LAW57 (BARLAT3)
- /MAT/LAW60 (PLAS_T3)
- /MAT/LAW63 (HANSEL)
- /MAT/LAW64 (UGINE_ALZ)
- /MAT/LAW72 (HILL_MMC)
- /MAT/LAW76 (SAMP)
- /MAT/LAW78
- /MAT/LAW87 (BARLAT2000)
- /MAT/LAW93 (ORTH_HILL) (CONVERSE)
- /MAT/LAW104 (JOHNS_VOCE_DRUCKER)
- /MAT/LAW109
- /MAT/LAW110 (VEGTER)
- /MAT/LAW121 (PLAS_RATE)
- 非局所正則化に適合している弾塑性破壊モデルと連成損傷モデルのリスト:
- /MAT/LAW72のMMC損傷モデル
- /MAT/LAW76の損傷モデル
- /FAIL/BIQUAD
- /FAIL/COCKROFT
- /FAIL/EMC
- /FAIL/HC_DSSE(シェル用)
- /FAIL/INIEVO
- /FAIL/JOHNSON
- /FAIL/ORTHBIQUAD
- /FAIL/RTCL
- /FAIL/SPALLING
- /FAIL/SYAZWAN(シェル用)
- /FAIL/TAB1
- /FAIL/TAB2
- /FAIL/USERi
- /FAIL/WIERZBICKI
- /FAIL/WILKINS
- 正則化された非局所温度計算を伴う材料則のリスト:
- /MAT/LAW104 (JOHNS_VOCE_DRUCKER)
- /MAT/LAW109
- 非局所塑性ひずみ(NL_EPSP)と非局所塑性ひずみ速度(NL_EPSD)の2つの特定の追加出力が、ANIMファイルとH3Dファイルで利用可能です。これらは時刻歴でも利用できます(シェルの場合NL_PLASとNL_EPSD、ソリッドの場合NL_PLASとNL_PLSR)。詳細については、出力データベースをご参照ください。