/MAT/LAW73
ブロックフォーマットキーワード この材料則はThermal Hill直交異方性材料を記述します。これはシェル要素にのみ適用可能です。
この材料則は、降伏応力がひずみ速度と塑性ひずみだけでなく温度(ユーザーテーブルで定義)にも依存する点で、/MAT/LAW43(HILL_TAB)とは異なります。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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/MAT/LAW73/mat_ID/unit_ID | |||||||||
mat_title | |||||||||
ρiρi | |||||||||
E | v | ||||||||
fct_IDE | Einf | CE | 空白 | ||||||
r00 | r45 | r90 | Chard | Iyield0 | |||||
εmaxpεmaxp | εtεt | εmεm | |||||||
Tab_ID | σscaleσscale | ˙εscale˙εscale | |||||||
Ti | Cp |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
mat_ID | 材料識別子 (整数、最大10桁) |
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unit_ID | 単位識別子。 (整数、最大10桁) |
|
mat_title | 材料のタイトル (文字、最大100文字) |
|
ρiρi | 初期密度 (実数) |
[kgm3][kgm3] |
E | 初期ヤング率 (実数) |
[Pa][Pa] |
v | ポアソン比 (実数) |
|
fct_IDE | ヤング率のスケールファクターの関数ID(ヤング率が塑性ひずみの関数である場合)
(整数) |
|
Einf | 無限の塑性ひずみに対する飽和ヤング率 (実数) |
[Pa][Pa] |
CE | ヤング率進展のパラメータ (実数) |
|
r00 | 0°のランクフォードパラメータ 3 デフォルト = 1.0(実数) |
|
r45 | 45°のランクフォードパラメータ デフォルト = 1.0(実数) |
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r90 | 90°のランクフォードパラメータ デフォルト = 1.0(実数) |
|
Chard | 硬化係数。
(実数) |
|
Iyield0 | 降伏応力フラグ
(整数) |
|
εmaxpεmaxp | 破壊塑性ひずみ。 デフォルト = 1.0x1030(実数) |
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εtεt | 応力が減少し始める引張破壊ひずみ。 デフォルト = 1.0x1030(実数) |
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εmεm | 要素内の応力が0に設定される最大引張破壊ひずみ デフォルト = 2.0x1030(実数) |
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Tab_ID | 降伏応力を定義するためのテーブル識別子 (整数) |
|
σscaleσscale | 降伏応力のスケールファクター デフォルトは1.0に設定されます(実数) |
[Pa][Pa] |
˙εscale˙εscale | ひずみ速度のスケールファクター デフォルトは1.0に設定されます(実数) |
[1s][1s] |
Ti | 初期温度。 デフォルトは293Kに設定されます(実数) |
[K][K] |
CpCp | 単位質量あたりの比熱 (実数) |
[Jkg⋅K][Jkg⋅K] |
▸例(鋼材)
コメント
- この材料則は、プロパティセット/PROP/TYPE9 (SH_ORTH)または/PROP/TYPE10 (SH_COMP)と共に使用する必要があります。
- 降伏応力はユーザー関数で定義し、次の等価応力と比較されます:
(1) σeq=√A1σ12+A2σ22-A3σ1σ2+A12σ122σeq=√A1σ12+A2σ22−A3σ1σ2+A12σ122 - ランクフォードパラメータの角度は、直交異方性方向1に対して定義されます。
R=r00+2r45+r904R=r00+2r45+r904 H=R1+RH=R1+R A1=H(1+1r00)A1=H(1+1r00) A2=H(1+1r90)A2=H(1+1r90) A3=2HA3=2H A12=2H(r45+0.5)(1r00+1r90)A12=2H(r45+0.5)(1r00+1r90) r00=A32A1−A3r00=A32A1−A3 r45=12(A12A1+A2−A3−1)r45=12(A12A1+A2−A3−1) r90=A32A2−A3r90=A32A2−A3 ランクフォードパラメータ rαrα は、面内の塑性ひずみと厚み方向の塑性ひずみ ε33ε33 との比率です。(2) rα=dεα+π/2dε33rα=dεα+π/2dε33ここで、αα は、直交異方性方向1に対して成す角度です。
このランクフォードパラメータ rαrα は、角度αα で実施する簡易な引張試験によって特定できます。
Rの大きな値は、成形性に優れていることを意味します。
- εpεp (塑性ひずみ)が1つの積分点で εmaxpεmaxp に到達すると、対応するシェル要素が削除されます。
- 最大主ひずみが
ε1>εtε1>εt
の場合、応力は次の関係式に従って減少します:
(3) σ=σ(εm−ε1εm−εt)σ=σ(εm−ε1εm−εt) - ε1>εmε1>εm の場合、応力は0に減少します(ただし、要素は削除されません)。
- この材料則は、常に反復投影を使用して可塑性を計算します(プロパティセットのIplasは無視されます)。
- この材料則は、可塑性のための全体定式化では使用できません(シェルプロパティでN=0は使用できません)。
- 降伏応力定義用のテーブルは、塑性ひずみ、ひずみ速度、温度をそれぞれ表すパラメータ (εp,˙ε,T)(εp,˙ε,T) を含む3次元テーブルである必要があります。テーブルの値は、降伏応力値です。
- εpm−1≤εp≤εpmεpm−1≤εp≤εpm かつ ˙εn−1≤˙ε≤˙εn˙εn−1≤˙ε≤˙εn かつ Tq−1≤T≤ TqTq−1≤T≤Tq である場合、降伏は、 (εpi,˙εj,Tk),i=m−1,m;j=n−1,n;k=q−1,q(εpi,˙εj,Tk),i=m−1,m;j=n−1,n;k=q−1,q に対応するテーブルの8つの値の間で線形補間されます。
-
(εp,˙ε,T)(εp,˙ε,T)
がテーブルの範囲に収まらない場合、降伏応力は線形外挿によって得られます。したがって、ひずみ速度ゼロに対応する静的曲線をテーブルに入力する必要があります(
˙ε=0˙ε=0
のエントリをテーブル定義に含める必要があります)。 /HEAT/MATオプションが材料識別子に関連付けられていない場合、断熱条件が仮定されて温度は次のように計算されます:
(4) Τ=Ti+EintρCp(Volume)T=Ti+EintρCp(Volume)ここで、- EintEint
- Radiossによって計算される内部エネルギー
- σσ
- Volumeは現在の密度と体積
- CpCp
- 単位質量当たりの熱容量
上記とは別の方法を指定する場合、熱伝導のための有限要素定式化が必要になります(/HEAT/MATオプションでIform =1を設定します)。この場合、/HEAT/MATオプションに入力された初期温度と比熱が使用されます。
- 降伏応力が直交方向1で取得された場合は、Iyield0 =1を定義します。そうでない場合は、Iyield0=0を定義します。