SOLVTYP
バルクデータエントリ 静解析と動解析に使用するソルバータイプを定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SOLVTYP | SID | SOLVER |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PCON | MAXIT | ITOL | TOL |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ORDM |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SOLVTYP | 4 | PCG | |||||||
FAI |
別の例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SOLVTYP | 1 | MUMPS | |||||||
PORD |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
SID | 固有のセット識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
SOLVER | 使用するソルバーを指定します。 2 3 4
デフォルト:表 1をご参照ください。 |
|
PCON | 使用する前処理行列のタイプ。 6 11
(文字) |
|
MAXIT | 最大反復計算回数。 デフォルト = システムの自由度の数(整数 > 0、または空白) |
|
ITOL | 前処理付き反復ソルバーの収束基準
ソルバーが を解いた場合、残差は になります。 (文字) |
|
TOL | 収束のトレランス。 デフォルト = 1.0e-5(ITOL=RROM、RRPM1の場合)または単精度のマシン精度(3.0e-8)(ITOL=RRPM2(実数 > 0または空白)の場合) |
|
ORDM | MUMPSソルバーの順序付けの方法。 8
(文字) |
コメント
- SOLVTYPバルクデータは、SOLVTYPサブケースステートメントで参照する必要があります。静的サブケースと動的サブケースにのみ適用されます。
- 線形静的サブケースの最適化で反復ソルバーが選択され、応答DRESP1,RTYPE = DISP、LAMA、STRESS、STRAIN、CSTRESS、CSTRAIN、CFAILURE、またはFORCEが存在する場合、ソルバーは自動的に直接法ソルバーに戻ります。
- MUMPS “超並列マルチフロント法スパース直接法ソルバー”は、(摩擦接触の有無によらず)非線形静解析、非線形熱伝導解析および非線形過渡解析のためのデフォルトの非対称ソルバーです。これはいくつかの線形静解析のデフォルトソルバーとしても用いることができます。MUMPSは、SMPとSPMDを並列化したものです。一般的に、MUMPSのパフォーマンスは、特に2次元モデルで、BCSのパフォーマンスと同様かそれより良くなります。PCG反復ソルバーは、微小変位および大変位の非線形解析でサポートされます。
- SOLVERフィールドのデフォルト設定とオプションの概要については、ユーザーズガイドのソルバーとサポートされるソリューションシーケンスをご参照ください。
- 反復ソルバーは、前処理付き共役勾配ソルバーです。デフォルトは、因子化された近似逆行列前処理法です。このソルバーはSMPでも 並列化されます。
- 反復ソルバーのパフォーマンスは、剛性マトリックスの条件により異なります。小規模なソリッドモデルの場合、反復ソルバーは1つの線形静的サブケースに対してメモリ使用量と経過時間の点で直接法ソルバーよりもはるかに優れたパフォーマンスを発揮する場合があります。複数の線形静的サブケースでは、反復ソルバーのパフォーマンスが直接法ソルバーよりも低い場合があります。分岐点となるサブケースの数は約4~6個です。パフォーマンスは、モデル、ハードウェア、およびオペレーティングシステムに左右され、システム負荷の影響によっても変わる可能性があります。Itaniumベースのコンピュータでは、パフォーマンスが予想を下回る場合もあります。
- 自動ソルバーオプションを選択した場合(SOLVER=AUTO)、最初にPCGが使用されます。PCGのパフォーマンスが直接法ソルバー(BCS)より低いと予想される場合は、ソルバーが直接法ソルバーに自動的に変更されます。この場合、残りの実行では直接法ソルバーが使用されます。
- MUMPSソルバーの順序付けの方法(ORDM)のオプションの詳細については、MUMPS 4.10のマニュアルをご参照ください。
- ノーマルモード解析モデルにSOLVTYPバルクおよびサブケースデータペアを使用して、Lanczosランで内部線形シフトの解析に使用する直接法ソルバー(MUMPS/BCS)を選択できます。SOLVTYPバルクおよびサブケースデータペアは、モーダル周波数応答解析でRESVEC計算に使用するソルバー(MUMPS/BCS/PCG)の指定にも使用できます。Lanczos固有値解析の内部線形シフトと周波数応答解析のRESVEC計算に異なるソルバーを選択する場合は、MFREQサブケースを2つの異なるサブケース(ノーマルモードサブケース + モーダルFRFサブケース)に分割し、それぞれのサブケースに異なるSOLVTYPサブケースおよびバルクデータペアを指定することができます。SOLVTYPバルクおよびサブケースデータペアは、座屈解析や直接法による周波数応答解析サブケースでも使用できます。
- スレッド数(nt)が16を上回るSMPを使用するシェルモデルの場合、PARDISOがMUMPSよりも高速になる可能性があります。MUMPSが失敗したモデルでは、PARDISOを代替方法として試すことができます。PARDISOを使用する静解析では、デフォルトで拘束消去法(RIGIDエントリ)がLGELIMに設定されます。
- FAI前処理マトリックスは、SMP実行を使用するブロック構造に適しています。このマトリックスはDDMでは使用できません。
DJ前処理マトリックスは、メモリ消費量は少なくてすみますが、実行時間は長くなります。きわめて大規模なモデルに使用してメモリ消費量を抑えることができます。SMPとDDMの両方でサポートされています。
BLR前処理マトリックスは、直接法ソルバーと従来の反復ソルバー(PCG)それぞれの属性を適切に兼ね備えています。条件設定に不備があるモデルで妥当なパフォーマンスを発揮します。DDM実行でのデフォルトです。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。